猫のマーキング行動には2種類あります。人間の足等に身体をすりよせるマーキング行動と、スプレーともいわれる排尿によるマーキングです。
すりすりと身体をよせつけてくる仕草は、とても愛らしく感じますが、一方、排尿によるマーキングはニオイもきついため、飼い主にとっては困ったものです。そもそも、猫はなぜ室内でマーキングをするのでしょうか?
縄張りを主張している
猫がマーキングをする理由として、自分の縄張りをまわりに主張しているという理由があります。もっとも、完全室内飼いである猫が縄張りを主張しても、私たち人間にはあまり理解できるものではありませんが、猫としては「ここに猫がいるぞ!」とアピールしています。
爪とぎをしているのも、実はマーキングの行動の一つでもあるのです。猫が興奮した際に、壁やカーペットに爪とぎをすることはありませんか?あれは肉球からフェロモンを出し、自分の存在をアピールしているのです。
生活環境が不満
生活環境の変化や、現在の環境に不満を持っている場合に、スプレーを用いたマーキングをすることがあります。
これは、引っ越し等で生活環境が大きく変化したり、新しい猫を迎え入れたりした際に感じるストレスによるものです。先住の猫がいる場合に新しい猫を迎える際は、特に注意が必要です。
部屋の模様替えをした
猫は、上記のとおり生活環境の変化に敏感な動物です。そのため、猫のトイレの位置を変えただけでもスプレーの原因になってしまう可能性があります。
また、トイレが汚いためほかの場所でスプレーをしてしまうこともあります。常に猫のトイレは清潔に保つ必要があるでしょう。また、多頭飼いの場合は、トイレを共有させるよりも、2つのトイレを離した状態で設置することで、いくらかの予防になります。
発情期のため
去勢手術をしていないオス猫は、春の発情期になるとスプレー行動をすることがあります。本能的な行動であるため、抑えることは難しいですが、去勢手術をすると発情期が原因となっているスプレー行動は収まるでしょう。3歳程までは去勢手術を行っていてもスプレー行動をすることがありますが、それ以降は減っていきます。
リラックスしている
マーキングの中でも、飼い主にすり寄ってくるマーキングは、リラックスをしているときにする行動です。部屋の柱等にマーキングをしながら歩くのは、自分のニオイを部屋中につけ、リラックスできる場所を作っています。猫は顎からフェロモンを出し、マーキングを行っています。
スプレーをやめさせるには
身体をすり寄せてくるマーキングは可愛らしいですが、スプレーによるマーキングは飼い主の悩みの種でもあります。スプレーをやめさせるには、スプレーをしている原因を取り除く必要があります。
上記で説明をした、トイレの位置を変えたのであれば元に戻し、トイレは常に清潔を保つなどして、猫の不満点を解消してあげると、スプレーをしなくなるでしょう。
また、スプレーをした箇所は、しっかりと消毒を行い、尿の強いニオイを猫用の消臭剤等で消すと、徐々にスプレー行動は減っていくでしょう。
また、先ほども説明したとおり、オス猫の場合は去勢手術をするだけでスプレー行動をやめることが多くありますので、今後繁殖をする予定がないのであれば、去勢手術を検討しても良いでしょう。猫がストレスを抱えないように、日頃から遊んであげたりし、ストレスが溜まらないようにするのもおすすめです。
まとめ
猫は様々な理由でマーキングを行います。マーキングをする理由を理解しておくと、その後の対処もしやすいです。猫が暮らしやすい環境にしてあげることで、室内でのスプレー等の好ましくないマーキングは減っていくでしょう。