犬 出せ

飼い犬が口にくわえたものを離さずに困ったことはありませんか?「出せ」「離せ」といった飼い主さんのコマンド(号令)で犬がくわえたものを素直に渡してくれるようになるには、おもちゃとご褒美を使ったしつけが有効です。口から出せというしつけの必要性や具体的な方法についてご説明します。

口から「出せ」というしつけの必要性

犬 出せ

飼い主さんの言葉に従って、飼い犬が口にくわえたものをすぐに離す。このようなしつけが必要な理由の第一は、誤飲誤食の防止です。
犬は食べたいという欲求だけでなく、好奇心や興味でものを口にすることがあります。特に子犬の頃はこの傾向が顕著です。ですが、食べることを目的にしていても単なる好奇心やいたずらだとしても、その物体が犬の体にとって良いものとは限りません。うっかり飲み込んでしまったものが異物や毒となる場合もあるため、飼い主さんが注意してすみやかに制止したいものです。
ただ、犬が一旦口にくわえたものを無理に取り上げようとすると、逆に急いで飲み込んでしまう可能性もあります。あるいは、こうした対応の繰り返しは飼い犬の反抗的な態度にも繋がりかねません。

事前に「出せ」「離せ」というしつけがきちんとできていると、いざという時にも無理なく口のものを渡してもらうことが可能です。また、誤飲誤食を防ぐだけでなく、飼い主さんの大事なものを噛むといういたずらや他の人とのトラブルの防止にも役立つでしょう。

合図の言葉(コマンド)と家族間の共有

犬 出せ

口から「出せ」というしつけを行うには、まず合図の言葉(コマンド)を取り決め、家族間で統一しておくことが大事です。ほかのしつけをする場合も同じことが言えますが、犬のトレーニングでは必ず同じ合図の言葉を用いるようにしましょう。
その場の思い付きでさまざまな言葉を使用すると、犬は実際の行為と結びつかずに混乱します。また、「ダメ」「こらっ」「ノー」という言葉はほかの状況でも使うことがあるため、やはり混乱を招く可能性があります。
「出せ」「離せ」「ちょうだい」といった具体的な言葉の中から一つ選んでおくとよいでしょう。そして、家族がそれぞれ違った言葉を使わないよう、決めた言葉を共有しておくようにしてください。

おもちゃを使った「出せ」のしつけ方法

犬 出せ

合図の言葉を決めたら、飼い犬に「出せ」のしつけを始めていきましょう。具体的なしつけの方法は以下のように進めていきます。実際には飼い主さんの決めた、「出せ」以外の言葉でもかまいません。

【用意するもの】
・犬の噛むおもちゃ(手に持ちやすい長いものがおすすめ)
・犬の好物のおやつ

【しつけ方法】
1.犬に「おすわり」や「ふせ」をさせ、おもちゃを与えて噛ませます。この時におもちゃの片側は飼い主さんが握ったままにしておきます。
2.「出せ」と言いながら、反対側の手で隠しておいたおやつを犬に見せます。
3.犬がおもちゃを噛むのをやめて口から離したら、褒めながらおやつを渡しましょう。
4.1~3を何度か繰り返し、飼い主さんの合図に従ったら良いことがあると犬に覚えてもらいます。
5.スムーズにできるようになったら、飼い主さんがおもちゃから手を離した状態や別のおもちゃでもできるように練習します。

おやつを見せても犬がおもちゃを離そうとせず怒るような場合は、無理に進めないようにしましょう。

まとめ

犬は食欲や好奇心によって飼い主さんが望まないものを口にすることがあります。場合によっては、単なるいたずらで済まず、誤飲誤食から犬の体に悪影響があるかもしれません。そんな事態を防ぐのが、飼い主さんの「出せ」「離せ」といったコマンドに従ってもらうしつけです。飼い犬のしつけを行うにあたっては、事前に合図の言葉を決めておき家族間で共有しておきましょう。おもちゃやおやつを上手に使って、しつけを進めてみてください。