我が家のペットは理想的な体型から外れているのではないか?そんな疑問を抱いたことはありませんか。毎日一緒に暮らしているとペットの体型の変化はなかなか分かりづらいものです。ですが、痩せすぎや太りすぎの状態はあまり健康によいとは言えません。犬や猫の体型を判断するには、適正体重やボディコンディションスコアを目安にする方法があります。犬猫の痩せすぎや太りすぎの判断基準や方法についてお伝えします。
ペットの痩せすぎ・太りすぎのリスク
犬や猫が理想的な体型からかけ離れると、健康上さまざまなリスクを抱えることになります。
太りすぎのリスク
太りすぎの体型となったペットは、体内のあちこちに脂肪をため込んでいる状態です。そのため、心臓や呼吸器、肝臓などの器官に負担がかかり、心疾患や高血圧、脂肪肝、糖尿病などさまざまな病気を発症させる可能性が高くなります。
また、重すぎる体重は関節に負荷をかけ、炎症や関節疾患などを引き起こすことがあります。疲労や免疫力の低下も、太りすぎによる悪影響として考えられるものです。
痩せすぎのリスク
痩せすぎている犬や猫は栄養が不足しているため、体力や免疫力が落ちてしまいます。このような犬猫は病気にかかりやすくなったり治りにくくなったりします。
ただ、適量のフードを食べているはずなのに痩せている、フードを与えているのにしっかり食べないといった場合は、なんらかの疾患や異常が原因となっているのかもしれません。そのような場合には動物病院で診てもらいましょう。
ペットの適正体重の目安は成犬・成猫になったときの数値
では、飼っているペットが痩せているのか太っているのかという判断はどのようにしたらよいのでしょうか?
判断の1つの基準は、適正体重です。適正体重とはその犬や猫にとって理想とされる体重で、純血種だと犬種や猫種による標準体重がおおまかな目安となります。
ただ、同じ犬種猫種であっても個体差があり、標準の体格から外れる犬や猫もいます。また、ミックスなど犬種や猫種が参考とならない場合もあるでしょう。
考え方としては、その個体が成犬成猫となる1~2歳頃の体重を適正体重として基準とすることができます。生まれてから成犬成猫となるまでの成長期には、極端な肥満や痩せすぎにはなりにくいためです。
ペットの適正体重を把握していると、数値の変化によって現在太っているのか痩せているのかが分かりやすくなります。一般的には適正体重から数値が15%増加していると肥満だとされています。
理想的な体型とは?ペットの体型の判断基準
ペットの体型を判断するものとしてもう1つの指標となるのが、ボディコンディションスコア(BCS)です。ボディコンディションスコアの5段階評価ではBCS3を理想的な体型とし、痩せているほどBCSが低く、太っているほどBCSが高くなります。それぞれの犬や猫がどの段階にあるかは、見た目や手で触ってみてチェックします。
犬のボディコンディションスコア(BCS)
BCS1(痩せ)・・・脂肪があまりなく、肋骨や腰椎、骨盤の存在が見た目で確認できる。腰のくびれやお腹の吊り上がりがくっきりしている。
BCS2(やや痩せ)・・・手で触ると肋骨が簡単に分かる。腰のくびれやお腹の吊り上がりが明らか。
BCS3(理想体重)・・・バランスのよい腰のくびれやお腹の吊り上がりが確認できる。
BCS4(やや肥満)・・・脂肪がやや多め。腰のくびれやお腹の吊り上がりは見た目で少し分かる程度。
BCS5(肥満)・・・手で触っても肋骨がなかなか確認できない。腰のくびれやお腹の吊り上がりがはっきりしない。
猫のボディコンディションスコア(BCS)
BCS1(痩せ)・・・肋骨や腰椎、骨盤の存在が目で見て確認できる。腰のくびれ、首の細さ、お腹の吊り上がりがくっきりしている。
BCS2(やや痩せ)・・・手で触って肋骨や背骨が簡単に分かる。腰のくびれやお腹の吊り上がりが見た目で確認できる。
BCS3(理想体重)・・・肋骨は見た目に分からないが、触って確認できる程度。腰のくびれやお腹の吊り上がりは少し見られる。脇腹にひだが確認できる。
BCS4(やや肥満)・・・肋骨に手で触ることはできるが脂肪がついている。脇腹のひだが垂れて、歩くと揺れる。
BCS5(肥満)・・・手で触っても肋骨や背骨がなかなか確認できない。腰のくびれはなく、お腹の吊り上がりは丸みがある。脇腹のひだが顕著。
飼い主さんが判断しにくい場合や、現在のペットの状態から理想とすべき体重数値を知りたい場合は、動物病院で相談してみてください。
まとめ
ペットの体型を判断するには、適正体重やボディコンディションスコアを参考にすることができます。適正体重は、成犬や成猫となった1~2歳頃の体重を基準とするのが一般的です。また、適正体重がはっきりしない場合でも、ボディコンディションスコアをもとに見た目や触った感覚で体型を判断できます。ペットの理想的な体重や体格を知り、日頃からの健康維持に役立てましょう。