猫 秋冬

気温が下がり、私たち人間も体調の変化に注意したい秋冬の季節。猫の飼い主さんにとっては、この季節だからこそかかりやすい病気が猫にもあるのか、気になるところではないでしょうか。大切な愛猫がつらい症状に苦しんだり、慣れない病院に通ったりする状況は、できれば避けたいものです。猫が秋冬にかかりやすい病気や、飼い主さんが事前に行える対策についてご説明します。

かかりやすい病気(1)ウィルス感染症

猫 秋冬

1年のなかでも特に秋冬の季節には、猫はウィルス感染症にかかりやすくなります。

代表的なウィルス感染症と原因

代表的な猫のウィルス感染症としては、以下のものが挙げられます。

・猫カリシウィルス感染症
・猫ウィルス性鼻気管炎
・猫クラミジア感染症

これらは通称「猫風邪」とも呼ばれている疾患で、鼻水やくしゃみ、咳、発熱、結膜炎、目やになどの症状が現れます。秋冬でなくてもかかることのある病気ですが、寒くなってくると特に低温と乾燥を好むウィルスが活動しやすくなるため、感染する猫が多くなります。また、気温が低くなることによって、猫の体温が下がって免疫力が落ちること、喉や鼻粘膜のバリア機能が低下することなども、秋冬に感染しやすくなる理由です。特に体力が十分でない子猫や老猫は症状が重くなり、命に関わることもあるので、注意しましょう。

ウィルス感染症の予防と対策

ウィルス感染症の予防には、混合ワクチンの接種を忘れないことがなによりです。初めての年は2~3回、それ以降は1年に1度接種することで、感染リスクを抑えられます。もし多頭飼いしている家庭で感染した猫がいる場合、あるいは、感染の疑いがある新しい猫を迎え入れる場合にはほかの猫と隔離して感染を避けるようにしてください。また、直接的な接触でなくても、飼い主さんの手を介してうつる場合もありますので、感染している猫を触ったあとなどはしっかり手洗いをして感染予防に努めましょう。

かかりやすい病気(2)泌尿器系疾患

猫 秋冬

排尿に関係する泌尿器系疾患も、猫が秋冬にかかりやすくなる病気です。

代表的な泌尿器疾患と原因

猫の泌尿器に関する病気には次のようなものがあります。

・膀胱炎
・腎臓病
・尿路結石

もともと猫は泌尿器系疾患にかかりやすい動物です。砂漠地方にルーツを持つ猫は、摂取する水分量が少なめで濃い尿を出すような体の構造となっています。そのため、腎臓や尿管、膀胱などの泌尿器官に負担がかかりやすいのです。秋冬に泌尿器系の疾患にかかりやすくなるのは、猫が水を飲む量やトイレに行く回数が少なくなり、ますます泌尿器官に負担がかかってしまうことが原因として考えられます。気温自体が下がることはもちろん、部屋ごとに戸を閉めて猫が移動しにくい環境になることも影響します。

泌尿器系疾患の予防と対策

泌尿器系疾患の予防のためには、水分摂取や排尿の機会を減らさないような環境を整えることが大事です。飲み水を入れた容器やトイレが寒い場所にあると、猫は進んで行こうとしないかもしれません。置いてある場所を暖かくする、置き場所そのものを増やす、といった工夫をしてみましょう。猫の水分摂取量を増やすには、飲み水を少し温めてあげたり、食事にウェットフードを適宜取り入れたりすることも効果的です。

ほかに気を付けたいのはやけど

猫 秋冬

寒さが苦手な猫は、熱を発するものや暖かいところに近寄ってやけどを負うことがあります。

猫のやけどと原因

炊飯器やポット、お風呂などのほか、秋冬に家庭で活躍するファンヒーターやこたつ、ホットカーペットなどの暖房器具もやけどの原因となるものです。こたつやホットカーペットは大丈夫なのでは?と思いがちですが、長時間熱を受けることで低温やけどを引き起こしてしまう危険性もあります。低温やけどはそう高い温度でなくてもゆっくり進行してしまうため、気づきにくく重症化しやすいのが特徴です。

やけどの予防と対策

高い温度を発生させる炊飯器やポットなどは、猫が近づきにくい場所に設置しましょう。バスルームは人が知らない間に猫が入り込むことのないよう、扉を閉めておくようにします。暖房器具に関しては温度設定に気を付け、ファンヒーターやストーブはガードで覆う、ホットカーペットはもう1枚カバーや毛布を増やすといった方法でやけどのリスクを減らせます。

まとめ

猫が秋冬にかかりやすい病気として特に注意したいのは、ウィルス感染症や泌尿器系疾患です。重篤化することもあるウィルス感染症は、混合ワクチン接種を忘れず受けておくことで感染リスクを下げられます。泌尿器系疾患は飲水や排尿回数が減るとかかりやすくなるため、寒くなる前に飲水やトイレに行きやすい環境にあるかどうかを確認しておきましょう。また、暖房器具を使用する秋冬はやけどを起こしやすい時期です。寒い時期に猫が温かく過ごせるような環境を作ることも大事ですが、うっかりやけどすることのないよう猫の生活環境を見直し、事前の対策を行っておきましょう。

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