犬を飼うと必ずといっていいほど覚えさせる「お手!」や「おすわり!」。「猫はお手やお座りを習わないのにどうして犬はそうしつけられるのか」と考えたことはありませんか?お手やお座り以外でも、「しつけ」と聞いて、厳しく育てるなんて犬がかわいそう・・・と感じたことがある方もいるかもしれません。しかし、犬のしつけは、「しかること」でも「芸を教えること」でもなく、犬の生態と密接に関わり、犬にとって大切なことなのです。

■飼い主は犬のリーダー

犬にとってしつけが重要なワケは、犬の生態系を知ると納得できるでしょう。
犬には、群れで生活を営むオオカミの血が流れています。そして、オオカミには群れの安全を守ったり指揮するリーダーが存在しています。この、リーダーを必要とする習性が犬にもしっかりと受け継がれているため、犬を飼うときには私たち人間が、犬のリーダーとなってこの習性に沿う必要があるのです。
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しつけを始めるのは、犬が飼い主の家に来たその日から。最初の3ヶ月間が肝心です。もし仮にしつけをしなかったら、犬は従うべきリーダーを失ってしまうので、常に不安に駆られ落ち着きもなく、それゆえ無駄吠えをしたり攻撃的になってしまいます。飼い主が愛情と厳しさをもってしつけをし、犬からの信頼を得ることで、犬にとっても飼い主にとってもハッピーな生活が送れるようになるのです。

■社会性を育むしつけを

「犬のしつけ」と一口に言ってもいろいろありますよね。決して、「お手」や「待て」を覚えてもらうことだけがしつけではありません。実は、犬の体力増強のためと思われがちな「散歩」もしつけの一環で、社会性を育むのに重要なのです。
犬の性格は、社会化期(生後4~12週)のあいだに学習したことをもとに、およそ1年で決まります。そのため、子犬の頃から散歩を通じて社会性を習得させることが大切です。小さい時から人ごみや他の犬など、愛犬がこれから人間とともに生活する中で出会ういろいろなことに慣らしておくことが、犬の不安を軽減し、無駄吠えなどを防ぐことができるようになるのです。
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