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2016年7月ドイツで開催されたレッドドット・デザイン賞の授賞式。卓越したデザインと妥協しない品質によって生み出されたプロダクトへ賞が贈られます。今期受賞したのは、猫・小型犬用自動給餌器PETLYの開発者・梁原さん。PETLYは、ペットの食生活の問題を解決するだけではなく、飼い主とペットの新しいライフスタイルまでも提案してくれます。プロダクト製作を通じて、梁原さんが描くこれからの暮らしを、伺いました。

■ 世界的に権威あるデザイン賞を受賞した猫・小型犬用自動給餌器PETLY

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おなかを空かせた飼い猫に怒られたことがありませんか?仕事で帰る時間が遅くなったとき、ドアの前で待つ飼い猫に思わず、謝ったことはありませんか?ご飯やトイレのお世話が後回しになり、ペットたちにいつも申し訳なさを感じている飼い主さん。多くの方が抱えるペットを飼う人特有のお悩みです。

猫・小型犬用自動給餌器PETLYは、そんなお悩みを抱えた猫と飼い主さんにとって、嬉しい商品。タイマーをセットしておけば自動で決められた時間に、決められた量の餌が与えられるので、一気食いや食べ過ぎを防止することも出来ます。
さらにヒトにとってうれしいのは、そのシンプルなデザイン。設定は回してクリックするだけで設定ができる操作方法を採用している他、コードレスになっているので、コンセントの場所にしばられることなく配置が可能。空間に溶け込む、スタイリッシュなデザインです。

■ 32歳、初めて猫と暮らし始め、その魅力に惹かれ。   

——“暮らしに美学を”というコンセプトでの商品開発をされていますが、どういう想いをきっかけに始められたのでしょうか?

「猫と一緒に暮らし始めたことが、最初のきっかけになりました。“なんて可愛いんだろう”と思いましたね。可愛くてしょうがない飼い猫と、長く一緒に暮らしていきたい、この子の健康をサポートしたい、飼い主の生活も豊かにしたい、そう思うと、もっとこんな商品があればいいのにと次々とアイデアが思い浮かんできました。そのアイデアを、いろいろな方と相談しながら形にしていくうちに、自分の人生を猫に捧げようと思い事業を始めました。」

愛猫に健康で長生きしてほしい、その想いから起業への決意にいたった梁原さん。商品を考える時は、いつも、ヒトと猫の生活がこうなったらいいなぁという想像から考えられているそう。

■ ヒトにとっても猫にとっても、“心地良い”

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「飼い猫のことはもちろん溺愛していますが、ペットだけを中心に考えるのではなく、ヒトとペットが心地良く共生するためのプロダクトを作りたいと思っていました。猫にとっても、飼い主さんにとっても、快適で心地よいものってなんだろうと、いつも考えています。」

お互いの快適さを考えるために、PETLYの製品開発中も、両者の心地よさを慎重に調査した梁原さん。製品のプロトタイプ検証では、多くの猫にも協力していただいたそう。

「モニターとして、たくさんの猫たちに協力していただきました。体の大きい猫、小柄な猫、おっとりした猫、わんぱくな猫、どんな猫でも使える商品にしたかったので。検証には時間を使いましたが、無事商品が完成したおかげで、我が家の猫には、もし帰りが遅くなっても怒られなくなりました(笑)。」

■ 生活に溶け込む、シンプルなデザイン。

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——RINNさんがつくられているプロダクト開発への信念とは、どういったものでしょうか?

「自動給餌器という商品を作る上で、私たちが決めていたのは、誰でも簡単に使える、インテリアとして人々の生活に溶け込むものをつくっていくことでした。自動給餌器自体は、国内はもちろん、海外でも販売されていますし、数年すれば当然のようにスマート給餌器が販売されていくという中で、自分たちの独自性は、“高品質で、誰でも簡単に使えるシンプルなデザイン”と考えたんです。」

「例えばですが、今現在、ペット用自動給餌器は電気を必要としますので、コードタイプが主流です。しかし、会社として、どういうものを作っていくかを決断するとき、停電のリスクや噛みつきを防止するため、コードレスの商品企画を選ぶのがRINNです。高品質を保つため、すべて長野県で熟練のエンジニアが1台1台丁寧に作っています。しかも電池は約半年間持つように省エネを実現しています。それは、ヒトとペットが心地良く暮らせる生活を提供することが私たちの価値であり、生活環境への最適化が大切だと考えているからなんです。」

起業前、自動給餌器だけでも口コミ400件近くを読み込み、徹底的に調査した梁原さん。飼い主さんの潜在的なニーズは何か?猫のために、どんな機能が必要か?どういうデザインを求めているのか…?考え抜かれて生まれたRINNの商品には、梁原さんの美学が映しだされているようです。飼い主さんの中には、RINNの全ての商品を購入された方もいらっしゃるそうです
(RINN:http://rinn.co.jp/

部屋の景観を崩しがちな生活必需品ですが、ものを変えれば、ライフスタイルをガラリと変えることができます。あなたは、これから猫さんとどんな暮らしにしていきたいですか?おうちの猫さんと一緒に、心地よい生活を考えてみるのは、いかがでしょうか?