本格的に夏が始まり、暑い日が続いていますね。ところで、気温の上昇は、ペットの大敵であるノミやマダニの活動を活発化させることをご存知ですか?比較的温度の高い室内で過ごすことの多いペットにとって、ノミ対策は年間を通して行ってあげる必要があります。
今回は市販のものを利用して行うノミ対策よりもより確実に、ペットの体にも安心してケアをすることのできる、動物病院でのノミ対策についてお伝えします。

■ノミ対策が不十分だとどうなるの?より確実な対策を行うべき理由

ノミ対策をきちんと行わないと、どんな被害が起きてしまうのでしょうか。
ノミは、ペットの身体に付着して寝床やその他の生活スペースにも住み着き、1日の間に約40〜50個もの卵を産んで繁殖してしまいます。小さいノミを肉眼で見つけて駆除するのはほとんど不可能に近いですが、それだけでなくノミの体内にはお腹に寄生する寄生虫の幼虫が入っていることがあります。

もしペットの体内に寄生虫が入り込んでしまうと、体表の皮膚病などの症状以外にも被害が起きてしまう恐れがあります。そのため、きちんとしたノミ対策をしないうちにノミが繁殖してしまうと、気づかないうちに症状が手遅れになる可能性が。何か症状が出てから対策を始めるのではなく、日頃から定期的に確実なケアを行うことが大切です。

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■市販の薬では対策出来ないの?病院でのケアがより効果的な理由

最近では、シャンプーやマットを始めとするノミ対策のグッズや、動物病院で処方されるものとよく似た薬まで市販で手に入れることも可能になり、個人でノミ対策を行っている、という方も少なくないのではないでしょうか。市販のものを利用して行うノミ対策と比べ、病院で行うケアがより高い効果を期待できるのはなぜなのでしょう。

市販の薬は、動物病院で処方される薬よりも安価で手軽に入手できるため、購入する人も少なくありません。しかし、パッケージの表示を見てみると、市販のものには『医薬部外品』と書いてあります。『医薬部外品』とは、病院で処方されるような医薬品と化粧品の中間的な分類のものを指します。これらは、なんらかの症状の改善などの効果は期待されるものですが、医薬品と比べると効能は穏やかで弱くなります。また、このような市販の薬には効果に限界があり、持続時間もあまり長くはありません。

これに対して、動物病院で処方される薬は『動物用医薬品』と呼ばれており、これは「動物の治療または予防に使用されることが目的とされている薬」を意味し、医薬部外品に比べると、はるかに効果が高いものです。また、効果の持続期間も市販薬に比べて長く、代表的な駆除薬で約1カ月以上効果が持続します。そのため、定期的に動物病院で駆除薬を処方してもらうことで、より確実な予防を行うことができるのですね。

Veterinarian examines the dog's hip

■ペットの健康を守り、安心して一緒に時間を過ごすために

今回は、動物病院でノミ対策を行うメリットをお伝えしてきましたが、ここで挙げたノミ駆除薬の効果の違い以外にも、動物病院で定期的にペットの健康をチェックすることで万が一なんらかの症状が現れた際にも早期に対策を打つことが可能になります。動物病院によっては、ペットの症状に合わせて対策方法を提案してくれる場合もありますので、動物病院を賢く利用してペットの健康を守ってあげたいですね。