家で、カフェで、公園で、ゆったりと過ごしながら愛犬を撫でているまさに至福の時。頭から背中にかけてゆっくりとさすり、あごの下へと手を伸ばした瞬間…「痛っ!」。突然噛みつかれ、驚いた表情をしていると、向こうは知らん顔。むしろ「何が悪いんだ」とでも言いたげな顔をしている…。甘噛を通りこす噛みつき具合に、飼い主さんは「なんで??涙」の一言に尽きますよね。あなたも犬に突然噛みつかれた経験はありませんか?今日は、突然噛んでしまう愛犬の気持ちやその理由などを紹介していきたいと思います。

■そもそも、なぜ犬は噛みつくの?

そもそも犬は何故噛むのでしょうか?実は、噛むのにはいろいろな理由があります。

威嚇の態度を示している場合は、やはり「身の危険を感じたから」というものが大半です。他人から突然触られそうになった時とっさに噛んでしまうのは、このパターン。頭を撫で方、ブラッシングの仕方、爪切りの際の手の握り方、シャンプーの仕方等、犬にとって危険を感じる瞬間は日常に溢れています。また、飼い主が犬の為に行っている行動でも、犬にとって「嫌だなぁ…」と思っていることが多いので、愛犬の様子をみながらお世話をしてあげましょう。

何度も噛んでしまう場合は、以前、噛んで追い返したことがあるということが影響しています。犬や猫には学習能力があるので、過去の経験から解決方法を自分なりに考えることがあります。「噛めば解決する」などと思ってしまっているのかもしれません。

そして、「自分のものを守るため」という理由もあります。犬は縄張り意識と同様に自分のものを守るという意識も強いです。なので自分のものを取られそうになったり、食事をしている最中に撫でられたりすると突然噛みついてくるのです。

Jack Russell terrier dog playing with puller toy

■他には理由はあるの?

犬の習性として、噛んでしまう理由についてが、ご理解いただけましたか?
しかし、慣れているはずの飼い主さんにまで、噛み付いてしまうのは、他の理由があると考えられます。それは、「怪我」の可能性もあるということです。人間と同じで、犬にも触られたくない場所はあるはず。それが「怪我をしている場所」だったらどうでしょう?人間でも、あまり触れられたくないですよね。
怪我は外から見えるものだけではなくて、もしかしたら体内に問題がある場合もあります。同じ箇所をなでて、いつも嫌がるようであれば、要注意。また、病気による発作なども考えられる一つの要因です。体に異常がある場合は、早急に対処する必要があります。
噛み癖があると思って、しつけを続けていると、飼い主さんとの関係も悪化する可能性がありますので、一度病院で診察してもらいましょう。

他にも、子育て中や妊娠中の犬は、「自分の子供を守らなければ!」と母性本能が強くなり、些細なことでも攻撃的になる傾向があります。飼い主さんが、母犬の気持ちを理解し、穏やかに過ごせるように距離を保つことも大事でしょう。

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■まとめ

噛んだら、反射的にしつけをする方も多いかもしれませんが、噛むことは、犬なりの意思表示とも言えます。体調不良のサインかもしれませんし、飼い主さんのしつけが行き届いていないという可能性も。ちなみに「噛めば何とかなる」と思って噛んでいる犬に対しては、しつけをしなければいけません。噛んでも叱らず、そのままにしていませんか?小さい頃「甘噛み」を簡単に許してませんでしたか?習慣化してしまった犬は、成犬になっても噛むことへの抵抗や罪の意識がなくなってしまうのです。
飼い主さんがするべきなのは、「何故噛んでしまったのか」を理解することで、根本的な解決に繋げることです。