人間にとって犬と同じくらい身近な動物である猫。警戒心が強く、自由気ままな猫は、どのようにして人間との接点を持つに至ったのでしょうか?クレオパトラも飼っていたといわれている猫。今回は猫と人間が深い関わりを持つことになった歴史に迫ります。

■猫と人間の歴史はなんと、遡ること1万年!

2004年、キプロス島のシルロカンボス遺跡で人間と一緒に埋葬された猫の骨が見つかりました。遺跡はおよそ9500年前のもの。このことから、猫と人間は約1万年前から何らかの関係を築いていたことがわかります。古代エジプトでは猫は信仰の対象として人間から崇められ、神殿で暮らしていたようです。

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また、キビやアワなどの穀類を主食としていた当時、人間の蓄えていた穀類をげっ歯類が盗み食いすることがしばしばありました。しかし、猫はげっ歯類を獲物としていたので、やっかいなげっ歯類を退治してくれる猫は、好都合な存在でした。このようにして、猫が人間の世界に出入りするようになったのです。

日本に猫がやってきたのは奈良時代。仏教とともに伝わってきたと考えられています。日本でもまた「ネズミを退治してくれる」として、当初はお金持ちの間で重宝されました。

■猫と人間の共存

ではなぜ、猫は人間とともに生活をするのでしょうか。猫が人間のそばで暮らす理由はいくつか考えられます。
・残飯やエサをたまにもらえる
・水がある
・歩きやすい道が多い
・キツネなどの天敵がいない
・雨露をしのげる場所が多い
このように見ていくと、猫と人間の双方にとって共存することにメリットがあるといえます。「相利共生」の関係が築かれていたからこそ1万年という長い間、共存し続けているのでしょう。

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日本では、猫は江戸時代から放し飼いにされ、猫は大衆に広く知られる存在に。商売繁盛の象徴「招き猫」や妖怪「猫又」など、猫は不思議な力を持った存在として今でも日本人の心を深く惹きつけ、現在では犬より猫をペットとして飼う人が多いというほど空前の猫ブームを巻き起こしています。

■あの有名人にも愛される猫

このように、人間との長い歴史を持つ猫。であれば猫を飼っていた歴史上の人物もいるはず!ということで最後に猫をこよなく愛していた、飼っていたと言われている有名人をご紹介します。

◆学者 ニュートン…猫を飼うという文化が根付いていなかった時代において、自分の家のドアに猫専用の出口をつけてしまうほどの猫好き。
◆元米大統領 リンカーン…「猫のためなら道を譲る」と名言を残していたそうです。
◆元英首相 チャーチル…お気に入りの猫は「ジョック」と名付けられた茶トラ猫でした。「猫が快適な暮らしができるように」と遺言まで残していました。
◆小説家・詩人 ヘミングウェイ…大の猫好きで、知人から猫を2匹貰い受け、育てていた。ヘミングウェイ博物館ではこの猫の直系子孫50匹が今でも飼われているという。
◆作家 夏目漱石…『吾輩は猫である』という作品はみなさんご存知の通り。漱石は飼っていた猫が死亡した際に親しい人々に猫の死亡通知を出し、猫の墓を建て、猫に対して一句を送り、猫が亡くなる直前の様子を『猫の墓』という随筆に書き残している。

このように、後世に残る偉業を達成した人物からも深く愛されていた猫。これからも末永く、人間と猫が相思相愛でありますように。