フレンチブルドッグは近年人気のある犬種で、大きな耳や目を持ちしっかりした体型の犬です。比較的穏やかで、のんびりした性格の子が多いのも特徴です。
しかし、かかりやすい病気や環境に気を付けなければならない点もあります。
フレンチブルドッグの特徴や、注意する点、かかりやすい病気について解説します。
フレンチブルドッグの特徴
フレンチブルドッグはブルドッグが改良された犬です。鼻が短くつぶれたように見える「しし鼻」と、大きくぴんと立った「コウモリ耳」、大きな目が特徴の短頭種です。
頭が非常に大きく3~4頭身の体形で、筋肉質でがっしりしています。尻尾は生まれつき短くなっています。
ブルドッグを改良した犬種ですので、全体的なつくりはブルドッグに似ていてアンダーバイト(受け口)で、切歯(前歯)は隙間が空いていることが多いです。
性格は陽気で、活発です。興奮するとハイテンションになることがありますが、筋肉質でパワーがあるので小さな子供のいる家庭では注意してください。
注意する点
太りやすいので注意
フレンチブルドッグは太りやすい犬種ですので、食事管理はBCSを確認しながらしっかり行いましょう。おやつのあげすぎには注意です。
夏の暑さに注意
フレンチブルドッグは短頭種なので暑さに弱い犬種です。犬は人と違い汗をかいて体温調節をすることができません。その代わり口を開けて「ハァハァ」することで体温調節をしています。短頭種はもともと呼吸での体温調節を上手にすることができない種類の犬です。気温だけでなく湿度が高くなる梅雨の時期ぐらいからはエアコンを使うなどして室温と湿度の調節をしっかり行い熱中症を起こさないように注意してください。
皮膚トラブルに注意
アトピーやアレルギー、膿皮症などの皮膚トラブルが起こりやすい犬種です。耳を痒がる、足をよく舐めるなどの症状があれば早めに動物病院を受診して悪化しないようにしましょう。皮膚のコンディションをあげるように良質のドッグフードを選ぶことも大切です。
麻酔に注意
フレンチブルドッグは短頭種ですので、他の犬種に比較して麻酔のリスクが高いといわれています。獣医師とよく相談してから手術を行うようにしましょう。
フレンチブルドッグがかかりやすい病気
短頭種気道症候群
短頭種は喉、鼻、気管などの呼吸器系の構造に生まれつき異常のある犬種です。鼻の穴がもともと小さく狭い「鼻孔狭窄」、軟口蓋が長く気管の入り口にかぶさるようになり呼吸がしにくくなる「軟口蓋過長症」など短頭種に特有の病気があります。このような病気を合わせて「短頭種気道症候群」といいます。運動時や興奮時にチアノーゼを起こしたり、いびきがひどい、口を開けて「ガーガー」と呼吸しているなどは短頭種起動症候群の特徴です。
熱中症
梅雨の蒸し暑さや夏の暑さが苦手で、体温調節が苦手な犬種です。気温が高い時にエアコンのついていない室内や車の中で留守番をさせると熱中症になる可能性が高いので要注意です。熱中症になると初期症状では、「開口呼吸、呼吸が速い、よだれなど」がみられ、症状が進行すると「ふらつき、嘔吐、下痢、失神、けいれんなど」が起こり、最悪の場合は死に至ります。人が少し暑いなと感じる程度の気温でも短頭種の場合は熱中症を起こす可能性がありますので注意してください。
皮膚疾患
フレンチブルドッグは細菌性皮膚炎やマラセチア性皮膚炎、アレルギー性皮膚炎、アトピー性皮膚炎などが起こりやすい犬種です。
特にアトピーやアレルギーは完治が難しく、徐々に悪化することが多いため、体を痒がる場合には早めに受診して原因を確認するほうが良いでしょう。アレルギーやアトピーは耳や目、口の周り、足などの痒みから始まることが多いです。血液検査でアレルゲン(アレルギーの原因物質)を見つけることができますので、気になる症状があれば獣医師に相談してください。
まとめ
愛くるしい表情で人気のあるフレンチブルドッグですが、一緒に楽しく暮らしていく上では、その特徴をしっかりと理解して気を付けなければいけないことがあります。暑い季節には温度や湿度の管理につとめて快適に暮らせるようにしてあげましょう。また、体の決まった部分を掻いたりなめたりしているときには、早めに獣医師に相談しましょう。