ぺろぺろ舐めていたのに急にガブッ! なでていたら急に噛んできた。このような経験はないですか?甘えていると思っていたのに急に噛んでくると、急にどうしたんだろうと戸惑います。本気噛みなのか?甘噛みなのか?見分け方と対処法について解説します。
猫が甘噛みするときのシチュエーション
猫が甘噛みするときには次のようなシチュエーションが考えられます。
①愛情表現として
②歯の生え変わりで歯がむず痒いから
③狩りのまね
このような甘噛みの時には血が出るほど噛むことはほとんどありません。歯が当たったところに傷が残ることはあるかもしれません。それぞれのシチュエーションについて詳しく解説します。
愛情表現としての甘噛み
・気持ちよさそうにゴロゴロ喉を鳴らしていたら突然噛んできた。
・猫が頭をすりすりしていたからなでていたら噛まれてしまった。
・抱っこしていたら急に噛んできた。
このような経験はないですか?別に何も変わったことをしていないのに急に態度を変えられると戸惑ってしまいます。
このように急に噛んでくる場合も猫にはほとんど悪気はありません。
「もういいよ」「ありがとう」
という意思表示として噛んでいるのかもしれません。痛みを感じるほどの噛み方でなければ、怒ったりせず「どうしたの?」と声をかけてみましょう。
歯の生え変わり時期の甘噛み
猫の歯は生後3か月くらいから生え変わりが始まります。切歯から順番に生え変わりが始まり、だいたい生後5~6か月ですべての歯が永久歯に生え変わります。
歯が生え変わるときには乳歯の歯根を永久歯が押すように萌出します。そのため違和感から歯がむず痒くなり歯ごたえのあるものを噛むことが多くなります。
歯がためガムのような歯の生え変わりの時期専用のおもちゃがあります。あまりにも噛んでくる場合は、歯の生え変わりが終わるまで利用してみるのも良いでしょう。
狩りの真似
・歩いていたら急に飛び出してきて足を噛まれた
・腕にしがみつき蹴りながら噛んでくる
このような経験のある飼い主さまは多いと思います。このような行動は狩りの練習だと言われ、猫にとっては本能による自然な行動といえます。お尻を振りながら体勢を低くして飛び掛かってくる姿はまさにハンターです。本気で噛んでくるわけではありませんが、軽く噛んだまま離さないこともあります。
血が出るほどのけがになることは稀ですが、この行動を放置しておくとどんどんエスカレートする可能性があります。子猫のうちはそれほど強い力があるわけではないので、少々噛まれても大きなけがにつながることはほぼありません。しかし成猫になってもこの習慣が残っていると思わぬ大きなけがになることがあります。
あまりにも噛み方がひどい場合は甘噛みといえどもやめさせなければなりません。まずは人の手足は咬んではいけないものと教えることが大事です。足や手を噛もうとしたときには気をそらさせるために転がるタイプのおもちゃやひもに獲物のおもちゃがついたような玩具を用いて、狩猟本能を満足させる遊びをしてあげましょう。それでも噛み方がエスカレートする場合は動物病院に相談したほうが良いでしょう。
本気噛みの場合
本気で噛んでくるときには噛んでくる前に「ウ~」と低くうなったり、「シャー」と鼻の頭にしわを寄せて耳を寝かせて威嚇のポーズをとったりします。
血が出るほどの噛み方をし、噛まれた箇所が腫れたり、ひどくなると膿が出る場合もあります。
猫の口の中にはパスツレラ菌という常在菌がおり、猫にとっては何の害もありません。しかし、噛まれた際にヒトがパスツレラ菌に感染してしまうと傷口がひどく腫れてしまい、高熱が出ることがあります。症状がひどい場合には入院が必要になります。
本気噛みは放置してはいけません。不妊手術や行動治療が必要になるケースもありますので、噛み方がひどい場合は手遅れになる前に動物病院に相談してください。
まとめ
甘噛みと本気噛みの違いは、噛んでいるときの猫の心理状態の違いともいえます。噛む前の猫の様子や動きの違いから、甘噛みか本気噛みかの判別ができます。ただ、甘噛みであっても頻繁に噛んでくる場合は放置しないことが大事です。甘噛みを許してしまうと本気噛みをするようになるかもしれません。また、猫の口の中の常在菌である「パスツレラ菌」によって、子供や高齢の方がかまれた場合は重症化することがあります。噛み方で気になることがある場合はスマホからペッツオーライで獣医さんに相談したり、動物病院で相談してください。