好きな時に寝て起きて、のんびり暮らしている猫を見ると「ああ、自分も猫のように自由気ままに生きていきたい」なんて思ってしまいますよね。でも、実は猫は環境の変化に敏感で、イメージよりも繊細な動物です。愛猫が安心して生活できる環境を整えてあげるためには「猫が嫌がること」「猫のストレスサイン」を知ることが大切です。
猫が嫌がるモノ・コトとは
まずは、猫が本能的に怖がったり苦手と感じたりすることを理解しましょう。身近にこんなものや環境はありませんか?
大きな音
大きく手を叩く音や風船の割れる音、熱い鍋に具材を投入した時の「ジュワッ」という音など。また、怒鳴り声や甲高い声も苦手です。
環境の変化
「猫は家につく」というように、猫は自分の住環境が変わることを非常に嫌います。室内で飼育されている猫の多くが外出先で固まってしまうのもそのため。急に新しいペットを連れてこられることも、猫にとって大きなストレスになります。
プライベートスペースを暴かれること
人間と同様、猫にも「他人にこれ以上近付かれると不快と感じる距離」=パーソナルスペースがあります。パーソナルスペースを無視してズカズカと入ってくる人や猫、他の動物に対しては、恐怖や怒りを感じます。
無理な抱っこ
個体差がありますが、猫は本来、抱っこされることがあまり好きではありません。抱きしめられてしまうといざという時に逃げ出しにくいため、本能的に避けたがるのです。また、無防備な部分であるお腹を触られることも嫌がる傾向があります。
水に濡れること
お風呂が苦手な猫は多いものですが、猫は水に濡れることが苦手です。猫の祖先は砂漠に住むリビアヤマネコですが、昼夜の寒暖差の激しい砂漠では、水に濡れたまま寒い夜を迎えると体温を奪われて命にかかわります。そのため、猫は本能的に水に濡れることを避けるようになりました。
香水などのニオイ
猫には苦手なニオイがいくつかあります。代表的なものでは柑橘系のニオイ、メントールのニオイ、タバコのニオイなど。石鹸や柔軟剤、香水など、人間が「良い香り」と感じるものでも苦手な猫は多いようです。
気をつけたい猫のストレスサイン
愛猫がストレスを感じている時には、目に見えるサインが出ている可能性があります。下記に挙げるような様子がないかどうか、チェックしてみてください。
□歩いたりジャンプしたりといった動作が減り、同じ姿勢のままじっと過ごすことが増えた。
□食欲が落ち、水を飲む量も減った。
□グルーミングの回数が減り、毛ヅヤが悪くなった。
□オモチャで積極的に遊ばない。
□部屋の隅や自分のベッドなどに引きこもり、呼んでも出てこない。
□これまでよりも怒りっぽくなり、噛み付いたり引っ掻いたりすることが増えた。
もし1つでもあてはまるようなら、愛猫がストレスを感じている可能性があります。知らず知らずのうちに猫が嫌がるようなことをしていないか、飼い主さん自身の日頃の行動や住環境を見直してみてください。
まとめ
ストレスがなかなか解消されないと症状はどんどんひどくなり、異常行動につながるおそれがあります。愛猫の様子におかしな点があるものの原因がはっきりしない場合は、迷わず獣医師に相談してみてください。愛猫が毎日不安なく快適に過ごせるように、ぜひ飼い主さんが気を配ってあげてくださいね。