言葉を話せない犬の気持ちをわかりやすくキャッチできるサイン、それがボディランゲージです。ボディランゲージは、顔や体を使って感情を示す、犬にとっての言葉そのもの。愛犬の気持ちをもっとよく知るために、犬のボディランゲージを学んでみましょう!
基本のボディランゲージを読み解くポイント
犬は全身を使ってさまざまな感情を表していますが、ここでは代表的な5つのポイントを見ていきます。
1.体の重心の位置
普通に立っている状態に比べて犬の重心が前にあるときは、自分に自信がある、興奮している、相手より優位に立っていると思っている状態です。犬が強風を感じているときは、重心は後ろへ下がります。
2.耳の向き
犬が耳を立てて前へ向けているときは、目の前の何かに集中していたり、「自分は強い」と自信を持っているとき。耳が横を向いているのは不安を感じて警戒している状態。ペタッと伏せられているときは、自信がなく恐怖を感じたりしているときです。
3.シッポの位置と振り方
「犬がシッポを振るのはうれしいとき」と言われますが、必ずしもそうとは限りません。穏やかに振るときはうれしいサインですが、小刻みに強く振るときは怒っている可能性があります。また、シッポを真っ直ぐに立てたまま振らないときは自分の強さをアピールしていて、やや興奮状態。シッポが少し下がり気味のときはある程度リラックスしています。股の間に巻き込むほど下がっているときは、恐怖を感じています。
4.目の表情
白目が見えるほど目を大きく見開いているときは、強い不安や緊張を感じています。目を見開いていても口元が緩んでいれば、興奮したり何かを期待していたりする状態です。
上目遣いで飼い主さんを見るときは、やや不安を覚えながらもうれしい気持も混ざっている複雑な心境。たとえば、してはいけないことをしてしまった後に「怒っていないよね?」と確認するような気持ちです。地面に「フセ」をしながら見上げてくるのは、リラックスしている状態です。
5.口元の状態
口角を上げ、やや口を開いて、いわゆる「笑顔」になっているときの犬は、うれしくてリラックスしている状態です。同じく、下が出ているときも穏やかでリラックスした心境。口を軽く開けているときはリラックスしていますが、一方で不安な状態の場合もあります。口を固く結んでいるときは、不安やストレスを感じているか、強い緊張や集中をしている状態です。
争いを避けるためのカーミング・シグナル
犬のボディランゲージの一つに「カーミング・シグナル」と呼ばれるものがあります。これは、お互いの攻撃芯を和らげたり、自分の緊張をほぐしたりするときに発するシグナルのこと。犬のカーミング・シグナルについてご紹介します。
目を細める、視線をそらす
目を細めたり視線をそらしたりすることで相手と目を合わせず、こちらに敵意がないことを示します。まばたきをする場合もあります。
鼻を舐める
犬が舌で自分の鼻先をペロンと舐めることがありますが、これは緊張や不安を感じているとき、自分を落ち着かせるために取る行動です。舌を出す行為は、相手に敵意がないことを伝えるシグナルでもあります。
あくびをする
人間では、あくびは眠いときやリラックスしている状態のときにするものですが、犬の場合はまるで意味が異なります。犬にとってあくびは、興奮状態の犬や人を前にして不安な気持ちになったときに、相手を落ち着かせるためにするもの。犬があくびを繰り返すときは、何らかのストレスを感じていると思ってください。
フセの状態でお尻を上げる
犬が遊びたいときに、上半身はフセの状態でお尻だけを上げるポーズを取ることがあります。これは「プレイバウ」と呼ばれ、遊びに誘うときだけでなく、怒っている相手をなだめたり、相手に敵意がないことを示したりする際にも使うシグナルです。
仰向けになってお腹を見せる
子犬はよく仰向けになって遊んだり眠ったりしますが、成犬がこのポースを取る場合は、相手に対する服従の意思の表れになります。急所であるお腹を見せることで、敵意がないことを伝えています。
まとめ
もともと犬のボディランゲージは、オオカミ時代に群れの中で円滑にコミュニケーションをはかるために発達したと言われています。犬のボディランゲージを知ることで愛犬の感情がよりよく理解できるようになり、お互いの絆ももっと強くなるはず。愛犬の動きや表情から気持ちを読み取る練習を、ぜひ始めてみてください!