はっきりとした四季のある日本。人間が暑さや寒さで体調を崩すように、犬にも季節ごとにかかりやすい病気があります。犬が季節によってかかりやすい病気とその対策について解説します。
春(3〜5月)
春は犬の飼い主さんにとって重要な季節。狂犬病の予防接種を必ず受けさせなければなりません。また、暖かくなって蚊が発生する前にフィラリアの予防薬を必ず飲ませましょう。発情期でもあるので、出産させない場合は避妊・去勢手術を考えてください。
夏に向けては抜け毛の量が多くなります。換毛がきちんと行われるように、毎日のブラッシングで余分な毛を取り除いてあげましょう。特に長毛種や毛が伸びる犬種の場合、ブラッシングを怠ると毛玉ができて皮膚が不潔になり、皮膚病を引き起こすことも。ケアはしっかりと行ってください。可能であればトリミングに出すことがおすすめです。
また、部屋に舞う抜け毛を吸い込むと、人間が呼吸器のアレルギーを発症する可能性があります。この時期はいつも以上にこまめに掃除機をかけ、部屋を清潔に保ちましょう。
夏(6〜8月)
高温多湿の夏は、ノミやダニなどの寄生虫にとっては最高の季節です。また、カビや細菌も繁殖しやすくなるため、犬はアレルギーや皮膚炎を発症しやすくなります。動物病院で処方される寄生虫駆除薬を正しく使って、ノミやダニを予防しましょう。犬のベッドやお気に入りの敷物などはこまめに洗い、清潔に保つこと。犬をシャンプーした後はしっかりと乾かして、皮膚が蒸れないように気をつけましょう。
また、基本的に犬は人間よりも暑さが苦手です。犬がいる部屋が高温にならないよう風通しに配慮し、エアコンや扇風機なども使って涼しさを保ってください。また、散歩は朝晩の涼しいうちに。日中の熱いアスファルトの上を歩かせると犬の肉球がやけどする危険性があります。
秋(9〜11月)
食欲の秋。暑さで体力を奪われてぐったりとしがちだった夏から一変、秋は元気いっぱいで食欲旺盛になります。たくさん食べる愛犬はかわいらしいものですが、欲しがるままに与えるのは禁物。胃腸に負担をかけるほか、肥満の原因にもなるので、適切な量と回数を守って与えましょう。
夏毛から冬毛に生え替わる時期でもあり、またまた大量の抜け毛が発生します。ブラッシングやトリミングはこまめに行い、皮膚を清潔に保ってください。
涼しくなってもフィラリア予防薬は決められた期日まで必ず飲ませ続けてください。飼い主さんの判断で投薬を中止してしまうと適切な効果が得られず、危険です。疑問がある場合は獣医師に相談してみてください。
冬(12〜2月)
空気が乾燥する冬は、ウイルスや細菌の活動が活発になります。人間が風邪を引きやすくなるのと同様に犬にも咳や鼻水などの症状が出やすくなります。重篤な症状を引き起こすウイルスに感染しないためにも、本格的な冬を迎える前にワクチンを接種することをおすすめします。ワクチンの種類や接種時期については獣医師に相談してみましょう。
また、冬は寒さから水を飲む量が減り、泌尿器系の疾患にかかりやすくなります。水飲み場が寒い場所にあるとなかなか足を運ばなくなるため、暖かい部屋の中に水の入ったボウルを置いてあげると良いでしょう。シニア犬の場合は寒さによって関節の痛みが発生することがあるので、部屋を常に暖かく保ってあげることも大切です。
そのほか、こたつやホットカーペットでの低温やけどや暖房器具のコードをかじっての感電、ストーブでのやけどなどにくれぐれも気をつけてください。
まとめ
春夏秋冬で気候が大きく異なる日本。それぞれの季節で愛犬にとって過ごしやすい環境を作り、病気にならないよう対策をしましょう。犬は多少の体調不良は隠そうとする傾向があるため、飼い主さんが様子を観察して異変に気づいてあげることも大切です。