猫は箱に入るのが大好き。時には「どう見ても、そのサイズは無理でしょ…」と言いたくなるような狭い箱に、ぎゅうぎゅうに収まっていることもあります。なぜ、わざわざ窮屈な場所に入りたがるのでしょうか？箱を見ると入らずにはいられない、猫の心理を探ります。
ハンターの血が騒ぐから
野生で暮らしていた頃の猫は、小さな虫やネズミなどを捕食していました。その頃の名残で猫にとって小さな箱は獲物である小動物が隠れていそうな場所に見えるようです。
ダンボールや洗濯カゴ、紙袋などは、置いてあると入らずにはいられません。中にはダイブするように勢いよく箱に飛び込む猫もいますが、それもこうしたハンティング気質からくる行動と考えられます。
おもしろいのは、狭いところに頭から入っても必ずクルリと一回転して顔を出口の方へ向けること。これは、敵が来たらすぐに察知して逃げ出せるようにしているのだと言われています。
縄張りとして落ち着くから
猫の祖先であるリビアヤマネコは、木の幹に空いた穴や岩の隙間などのような暗くて狭い場所を寝床にしていました。なぜ、自分の体一つでいっぱいになってしまうくらいの狭いスペースで寝るのでしょうか？
その理由は外敵を侵入させないためと、寝床の中を温かく保つため。その頃の名残で猫も自分の体にピッタリのサイズの狭い箱を好むのだと言われています。人間にしてみると「なぜ、そんな狭い箱に無理やり入るの？」と不思議に思えますが、猫にとってはその狭さが安心できるのです。
ちなみに、猫は狭い場所に加えて薄暗い場所も大好き。これも祖先の寝ぐらが薄暗い場所にあったからだと言われます。家の中で愛猫の姿が見えない時は、たいてい薄暗くて狭い場所にいるもの。クローゼットの中や階段下などの薄暗い場所にダンボール箱などを置けば、猫にとってかなり快適な居場所になることは間違いありません。
見慣れないものはチェックしたいから
猫は縄張り意識が強く自分の身の周りに見慣れないものがあると、臭いを嗅いだり触ったりしてチェックする習性があります。飼い主さんのネットショッピングで届いたダンボールの空き箱などは、猫にとってかなり好奇心をくすぐられる存在。
そばに行ってチェックしてみて安全だと分かるやいなや、その中に入って居心地を確認するというのが定番の行動パターンです。
箱の中が暖かいから
実は、私たち人間が快適だと感じる温度と猫にとっての「適温」には差があると言われています。夏の暑い日に直射日光の当たる窓辺で寝ている猫がいますが、猫が好む温度帯は人間よりも高いようです。
猫が箱に入りたがるのは、限られたスペースで丸くなることで体温を高めに維持するためだと考えられています。特にダンボールは断熱性に優れており、好む猫が多いようです。
まとめ
猫が箱を好む理由は、先祖から受け継いだ本能によるもの。理屈抜きに「何だか分からないけど、ここが好き」「入らずにはいられない！」と言ったところでしょうか。こうした本能的な欲求を満たしてあげるためには、人通りの少ない廊下の隅などに箱を置き、猫だけの居場所を作ってあげると良いでしょう。ただし、狭いところに隠れたまま出てこない場合は、注意して様子を見てあげてください。あまりに居心地が良くてくつろいでいるだけかもしれませんが、まれに体調不良で身を潜めている可能性もあるので注意が必要です。
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