猫も、夏バテをすることを皆さんはご存知でしょうか?猫のルーツは熱帯地域。人間よりは暑さに強いと言われていますが、全身に毛をまとっているため、あまりに暑いとぐったりと夏バテ状態となり、様々な症状が見られるようになります。「暑すぎるニャ!」と意思表示することができない猫だからこそ、飼い主が行動を観察することで、夏バテサインを察知してあげる必要があるのです。そこで今回は猫の夏バテサインの見分け方と暑い夏を乗り切るための愛猫の快適な空間の作り方をご紹介します。
■想像以上に、猫は暑さに弱い!?
猫は元々熱帯出身であることから暑さに強いと言われています。しかし、猫は湿気に弱く、高温多湿になる日本の夏は猫にとって苦手な環境。その上、現在は室内だけで飼われている猫が多いため、うまく体温のコントロールができない猫も増えているそうです。さらに猫は汗腺が人間に比べて非常に少なく、発汗による体温調節ができないため、自分で身体をなめたり涼しい場所に移動することによって体温を調節します。そのため、涼しい場所が限られた環境の中で、急に体温が上昇し調整が難しいのです。
猫の体温は通常38〜39度といわれており、限界体温である41度以上の状態が長く続くと命を落とす危険もあります。そのため飼い主である私たちが、猫が暑がっているという仕草を、サインとしてしっかりとキャッチし、暑さや夏バテへの対策をしてあげることが重要です。
■こんな症状が出ていたら要注意!
早速、猫の夏バテサインをご紹介します。まずは、ぐったりしているかを一番にチェック。続いてこれらの行動が見られたら注意!
・ハーハーと息づかいが荒く、いつもより体温が高い
これは口呼吸によって上がった体温を調節しようとしているための行動です。
・食欲がない
これは人間同様、体調が悪い時は食欲が減退してしまうものです。
・グルーミング(毛づくろい)ばかりしている
これは自分の下で身体を濡らし、気化熱で身体を冷やそうとするための行動です。
・水を飲まない
これは高温多湿のときに見られる傾向です。多湿により気化熱による体温調節がうまくいかず、この行動が見られることもあります。これは脱水症状にもなりかねません。
いずれの症状も長く続くと命を落とすことになりかねません。このようなサインに気付いたら冷たい濡れタオルで全身を拭いたり、保冷剤をタオルごしに当てがったり、霧吹きで水を拭いたりして体温を下げるなどすぐに緊急処置を施し、すみやかに獣医師に相談しましょう。
■猫の夏バテ対策。快適空間の作り方とは
続いて、夏バテサインを未然に防ぐための空間作りをご紹介します。
・部屋の風通しを良くする
暑さがこもらないように窓を開けたり換気扇をつけたりして風の流れを確保しましょう。
・給水場所を増やす
猫はもともと水を飲む量が少ないため、暑くて喉が渇いたとしても飲まない可能性もあります。高温多湿の場合も飲みづらいです。脱水症状を防ぎ水分補給を促すため、水が飲める場所を増やしてあげましょう。
・エアコンは除湿またはドライ設定で、温度は下げ過ぎない
猫は人間が暑いと感じる程度の気温が快適ともいわれています。また、エアコンの冷気は床付近に流れることから、猫は冷えすぎてしまうことも考えられます。冷えすぎを防止するため、できればエアコンをつけた部屋は閉めきらず、温度設定は28〜30度が好ましいです。
・部屋の中に冷たい場所を用意する
アイスベットやひんやりマットなどで涼しく過ごせる場を所々に設けてあげることも良いかもしれません。
・直射日光が入る窓はカーテンなどで遮る
強すぎる直射日光は熱中症の原因になります。時間によって当たる場所も変化しますので日が落ちるまで注意が必要です。
以上、一部ですが夏バテを防ぐために有効な対策をご紹介しました。夏の間、家を留守にする際は以上の項目をチェックして外出時には細心の注意を払い、夏バテのサインが見られた場合は、お医者さんに連れて行き適切な診断を受け、猫と一緒に夏を乗り切りましょう。