気温も湿度も高い季節がやって来ました。夏場は愛犬の毛を短いサマーカットにする飼い主さんが増えます。涼しく快適そうに見える上にイメチェンもできてかわいらしいサマーカットですが、“やりすぎ”は禁物。サマーカットにする時の注意点を知っておきましょう。
そもそもサマーカットってどんなもの?
犬のサマーカットとは、夏の暑い時期に被毛を短くカットすること。普段より少し短めに被毛をカットしたり部分的に短くしたりすることで、熱を逃がしやすくする意図があります。
特に人気なのは、ボディの毛をバリカンで短く刈り込むスタイル。シッポの先や顔の毛はそのまま残すと、まるで違う犬のように見えて新たなかわいさが発見できるため、多くの飼い主さんがこの「丸刈り」をオーダーします。
また、雑誌や書籍で毎夏さまざまなスタイルが紹介されるため、犬のサマーカットはすでに夏の定番になっています。
サマーカットのメリット、デメリット
人気のサマーカットですが、バリカンで極端に短く刈り込むスタイルには、良い面と気をつけなければいけない面と両方あります。見た目は文句なしにかわいい「丸刈り」スタイルですが、デメリットもきちんと知っておきましょう。
丸刈りのメリット
お手入れがラク
長毛種でも丸刈りにすれば毛が絡まることもなく、汚れも落としやすくなります。また、洗うのも乾かすのもラクで、お手入れの負担がぐんと軽くなります。
皮膚病にかかりにくくなる
高温多湿の夏場は皮膚と被毛の間に湿気や汚れがたまり、皮膚病にかかりやすくなります。サマーカットにすることで皮膚が清潔に保たれ、皮膚病のリスクが低下します。
見た目がかわいい
大胆な丸刈りスタイルは1年でこの時期にしか見られないもの。いつもとは違った愛犬のかわいらしさに、「夏は絶対にサマーカット」とオーダーする飼い主さんも大勢います。
丸刈りのデメリット
皮膚が刺激にさらされてしまう
普段は被毛に覆われている犬の皮膚は、実はとても弱く敏感です。むき出しの皮膚はちょっとした刺激にも傷付きやすく、虫にも刺されやすくなります。
直射日光を浴びると暑い
飼い主さんからすると、全身を毛に覆われている愛犬はとても暑そうに見えますよね。でも、実はサマーカットでむき出しになった地肌に直射日光があたると、逆に暑さを感じやすくなることがあるので要注意です。
毛質が変わるリスクがある
はっきりとした原因はわかりませんが、犬によってはバリカンで毛を刈った後に毛が生えにくくなったり、生えてきた毛の質が変わってしまったりすることがあります。
サマーカットにする時はここに注意!
犬のサマーカットについては、犬のプロの間でも賛否両論が分かれます。高温多湿の日本では人間が薄着をするように犬にもサマーカットが必要だという人もいれば、被毛には動物の体を保護する役目があるのだからカットしてはいけないという人もいます。最終的に判断するのは飼い主さんですから、愛犬のことを考えて一番良いと思う選択をしてください。
スポーツの競技会に出るような運動量の多い犬はさておき、一般家庭で暮らしている犬には全身を丸刈りにするような極端なサマーカットは必要ないかもしれません。被毛の密度を低くするために毛をすく、お腹や脇の下など一部の毛を短めにカットすることで放熱性を高める、といった程度のトリミングでも、犬は十分に涼しさを感じられるでしょう。
また、夏場に大切なのはサマーカットよりも熱中症予防です。室温が上がりすぎないように気をつけ、新鮮な水を常に用意してあげましょう。さらに、サマーカットの地肌が直射日光にさらされることで、熱中症にかかりやすくなるので要注意です。
逆に、エアコンが効いている室内ではサマーカットの犬は冷えすぎてしまう可能性があります。室内が冷えすぎないように配慮し、犬が寒がっている様子が見られたら温度を下げるか、洋服を着せるなどして対処しましょう。
まとめ
ボディを丸刈りにする極端なサマーカットにはメリットとデメリットがあることが分かりました。サマーカットを検討する際はトリマーや獣医師といった犬のプロに相談して、本当にそのカットが愛犬に必要なのかを見極めてから行いたいところです。見た目のかわいらしさばかりに気をとられて、犬の体に負担をかけることはくれぐれも避けましょう。