昔はよく走り回って元気だった愛犬ですが、いつまでも元気に走り回れるわけではありません。大体8歳~10歳頃から高齢犬と呼ばれるようになります。高齢犬は、今までと同じように生活をしていても、何らかの障害が起きてしまう可能性があります。高齢犬であっても、元気で長生きしてもらえるように、飼い主としてするべきことについてご説明いたします。
高齢犬と呼ばれる年齢の目安
まずは高齢犬と呼ばれる年齢の目安を把握しておきましょう。小型犬であれば、寿命が比較的長いため11歳頃から、大型犬であれば8歳頃になったら高齢犬となります。高齢犬と呼ばれる年齢を把握しておくことで、事前に対処ができることがあるかもしれません。
足腰が弱くなるため、カーペットを敷きましょう
愛犬が若い頃は、フローリングで滑りながら歩いていても身体への負担は少ないかもしれません。しかし、高齢犬は、足腰が弱くなっているため、フローリングでは滑って転倒してしまう恐れがあります。
転倒は捻挫や骨折等、怪我のリスクが高まるため、カーペット等を敷いて、高齢犬でも問題なく歩けるようにすることをおすすめします。
咀嚼(そしゃく)が弱くなるため、食器は高い位置へ
高齢犬になると、人間と同じように食べ物を飲み込む力が弱くなってしまいます。そのため、床に置いた食器だと、咀嚼が弱いことで食べ物や水が飲みこみづらくなります。
高齢犬用に市販されている、高い位置に食器を置くことができる台が販売されているため、それを使用すると愛犬はフードを食べやすくなるでしょう。
散歩の回数、距離を少しずつ縮めていきましょう
高齢犬になると、激しい運動をした際に心臓に負担がかかってしまいます。足腰の弱い高齢犬が長時間・長距離の散歩をすることは大きな負担になる可能性も考えられます。
そのため、なるべく散歩の回数や距離を少しずつ減らしていくことをおすすめします。突然散歩をしなくなるのは、かえって愛犬のストレスになってしまいますので、犬の様子を見ながら徐々に散歩の距離を縮めていくと良いでしょう。
散歩時間を短くする分、室内でのコミュニケーションの時間を今までよりも多めにとってあげましょう。また、散歩をする際のスピードにも気を付けましょう。犬のペースに合わせて散歩をすることで、犬は気楽に散歩をすることができます。
フードはシニア犬用を与えましょう
高齢犬になると、若い頃に比べカロリーやタンパク質の要求量が減るなど必要な栄養分に変化があります。運動量が減ってしまった高齢犬に今まで通りのフードを与えていると、カロリーが超過してしまいますので、シニア犬用のフードに徐々に切り替えていきましょう。
また、1日2回であった食事を、3、4回に分けて与えることで胃腸に負担が少なくなります。顎の力が弱くなっている場合は、フードを水で少しふやかして与えると、食べやすくなります。
トイレは愛犬の近くに設置しましょう
愛犬が室内でトイレを済ませることができる場合、なるべく日頃生活をしている場所の近辺にトイレを設置するようにしましょう。高齢犬は、歩くこと自体が負担となっていきますので、できる限り生活をする上での運動量を減らしてあげると、身体に負担がかかりにくいでしょう。
また、トイレで用を足すことが困難になってきた場合は、サイズの合った犬用おむつをしてあげることをおすすめします。
シャンプーのしすぎに注意
高齢犬は、皮膚が乾燥しやすくなります。そのため、今まで通り頻繁にシャンプーをしていると、皮膚が乾燥してしまい、皮膚疾患の原因になる可能性があります。
また、シャンプー自体が愛犬の負担となる場合も考えられます。そのため、高齢犬にはなるべくシャンプーではなく、清潔な濡れタオルで身体を拭いてあげ、その後ブラッシングをする等で被毛の清潔を保っていきましょう。
まとめ
高齢犬になると、飼い主としても気を付けなければならないことがたくさんあります。愛犬は今まで通りには行動することができなくなってしまうかもしれませんが、私たち飼い主が少し気を遣ってあげることで、高齢犬になっても不便のない生活環境を手に入れることができるでしょう。