猫 好きな場所
室内飼育の猫にとっては、家の中が生活のすべて。猫は自分の縄張りの外へ出ることを好まないため、室内環境をきちんと整えてあげさえすれば、家の中だけでも十分に生活できます。愛猫にストレスなく快適に過ごしてもらうために、猫の習性を理解して落ち着く居場所を作ってあげましょう。

好きな場所1:高いところ

猫 高いところ好き
猫は高いところに上るのが大好き。しばしば高い家具の上などにジャンプして、飼い主さんを見下ろしていますよね。これは、単独行動で狩りをしていた頃の習性の名残りだと言われています。

猫の祖先は高い木の上で獲物を待ち伏せしたり、外敵から身を隠したりしていました。ヒョウやマーゲイといったネコ科の野生動物は今でも木の上で多くの時間を過ごします。そんな野生時代の習性が、猫にも残っているのです。

また、猫の世界ではより高い位置に陣取った方が優位な立場になるとも言われています。飼い主さんを見下ろす愛猫が心なしか得意げな表情なのは、そのせいかもしれません。

高い場所が好きな猫のために、本棚や冷蔵庫の上などには物を置かないようにして、猫が上りやすいようにしてあげましょう。外が眺められる窓辺などにキャットタワーを設置してあげるのもおすすめです。キャットタワーを置くスペースや費用がない場合は、家具を段差がつくように置くことでも代用できます。

かなり細い場所でも登ることができるためカーテンレールや不安定な場所に登れるようになると急に落ちて怪我をしたり足が挟まってパニックになる可能性がありますので気をつけましょう。

好きな場所2:狭いところ

猫 段ボール 入る
野生時代の猫の獲物は、小さな虫やネズミ、イタチといった動物でした。そのため、小動物が潜めそうな小さな穴を見つけると、「獲物が隠れているかも」と思い、ハンターの血が騒ぐようです。

自分の体より明らかに小さな箱に無理やり入ろうとすることもよくありますし、ダンボールや洗濯カゴ、紙袋などは、置いてあると入らずにはいられません。一時期、箱に飛び込む猫の動画が話題になりましたが、あの行動もこうした習性によるものと考えられます。

おもしろいのは、狭いところに頭から入っても必ずクルリと一回転して顔を出口の方へ向けること。これは、敵が来たらすぐに察知して逃げ出せるようにしているのだと言われています。

好きな場所3:薄暗いところ

猫 好きな場所
クローゼットの扉をうっかり開けっ放しにしていたら愛猫が中ですっかりくつろいでいて、衣類が毛だらけに…。こんな経験、ありませんか?

大昔、猫の先祖は木のうろやほら穴などの薄暗くて狭い場所を住みかにし、獲物を他の動物に横取りされないように住みかの中で食べていました。その頃の名残で、猫は今も薄暗い場所が落ち着くようです。

病気やケガの時なども、じっと体力を回復するために薄暗い場所へ身を潜めることがあります。猫ベッドを置いてあげる時は、明るすぎず人の出入りが激しくない場所を選んで設置してあげましょう。

好きな場所4:快適な温度のところ

猫 快適な場所
猫は、自分にとって快適な気温を見極める達人です。夏の暑い日には家中で一番涼しい場所(お風呂場のタイルの上や風が通る場所など)でお昼寝。冬は冬で、日差しがなるべく長く、たくさん当たる場所を探して日向ぼっこをしています。

ただし、基本的に猫は人間よりも寒さに弱い動物です。猫にとって快適な室温は20〜28℃、湿度は50〜60%。夏場は冷房での冷やしすぎに注意し、できれば窓を細く開けて外気を入れるようにしてあげると良いでしょう。湿度も苦手なので、エアコンの除湿機能で湿気を取るようにしてください。

冬場はとにかく寒さ対策をしっかりと。とは言え暖房のつけすぎは脱水などにつながるので、潜って暖をとれる毛布などを用意してあげると良いでしょう。

好きな場所5:ふわふわしたところ

猫 好きな場所
毛布、タオル、座布団、クッション、飼い主さんの衣類などなど…。こうした物の上に愛猫がいつの間にか乗って満足そうにしている姿、目にしたことはありませんか?

猫はやわらかくふわふわしたところが大好き。人間が心地よく感じる肌触りの毛布などは、猫も大好き。手触りの良いブランケットや猫ベッドは愛猫へのプレゼントにぴったりです。

好きな場所6:爪とぎができるところ

ねこ 爪とぎ
猫は頻繁に爪を研ぎます。これは獲物を捉えるためのマーキング方法でもあり、いつもお手入れして鋭い状態にしておく必要があるからと言われています。

家の中で飼育されている子は爪を研げる場所が数カ所あると居心地が良いでしょう。キャットタワーの支柱や平置きタイプのものなど猫が気に入ればなんでも良いですが、気に入ったものを使わせると良いでしょう。

まとめ

猫の好きな場所は、野生時代の習性の名残と密接に結びついています。こうした本能的な欲求を満たしてあげるためには、人が上れない高い場所や人通りの少ない廊下の隅などに猫だけの居場所を作ってあげることも有効です。ダンボールやドーム型の猫ベッドを置いてあげると安心できる居場所になりそうです。ただし、食事も摂らずに1日以上隠れている場合は体調不良の可能性があるので、すぐに動物病院へ連れていきましょう。

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