おうちで飼い主さんが脱いだばかりの靴下や服などを、愛猫がクンクンにおいを嗅いだかと思うと、「くさっ！」とでも言いたげなお顔をしていることはありませんか？

嘘をつかない正直なペットだからこそ、こちらとしては少しへこんでしまう人もいるかもしれません・・・。でもご安心ください！これには猫特有の深い理由があります。

不思議！猫の嗅覚

猫の嗅覚は、においを感じ取る細胞の数で人間の約５倍、嗅ぎわける能力は１万倍から１０万倍とも言われています。これは、空気中のにおいで人間が感じ取ることのできる最低濃度の１万分の１～１０万分の１しか濃度が無くても感知することができるということです。

つまり、においを人間よりも強く感じるというわけではなく、微かなにおいにも反応することができるわけです。猫は本来、嗅覚よりも視覚や聴覚から獲物を発見して狩猟をしてきた動物です。

嗅覚を使うのは、獲物を捕らえた後、本当に食べても安全なものかどうか確認するためなのです。鋭い嗅覚を持つのなら、嗅覚で狩りをしそうですが、少し意外ですよね。他にも、他の猫との縄張り確認や、発情期のメス猫にアピールする時にも嗅覚を駆使して暮らしています。

においを嗅いだときの変顔のわけは・・・

においを嗅いだあとの猫の顔が、口を半開きにさせてにんまりさせていたり、ぽかーんとしてしまうのは、生理的な反応です。これを、フレーメン反応といいます。

実は、猫は鼻のほかにももうひとつ、においを感じ取るための器官が存在します。ヤコブソン器官という名前なのですが、これはフェロモンを感じ取ることができるともいわれています。

このヤコブソン器官は、口の中の天井の部分の裏側にあって、前歯の裏側の歯ぐきのそばに小さな２つの穴を入口としてにおいを嗅ぎ取ります。この器官でにおいを嗅ぐには、唇を巻き上げて口を半開きにして息を吸い込むことになるので、少し笑っているような独特の表情になるのです。

どうして飼い主のにおいでフレーメン反応？！

口を半開きにするのはにおいを嗅ぐため、といっても全てのにおいにこのフレーメン反応を示すわけではありません。例えば、オス猫が発情期のメス猫のオシッコのにおいを嗅ぐ時に見られるので、フェロモンが関係しているのではと言われていますが、解明はされていません。

しかし、この反応を示すときの多くは、猫にとって興味のあるにおいの場合です。逆に、嫌いなにおいに遭遇したときは、少し嗅いだだけでプイとそっぽを向いて逃げてしまいます。

猫にとってにおいは重要なアイテムなので、「これは有害！」と感知すると近寄りません。飼い主さんのにおいを嗅いでフレーメン反応を示すのは、「このにおいはしっかり嗅がなければ！」とはりきってクンクンしている証拠なので、好きなだけ嗅がせてあげて問題ありません。

ただしたばこのにおいなどにも反応する場合があるのでご注意を。もしかしたら、フェロモンに近い成分が含まれていたりするのかもしれません・・・。

まとめ

いかがでしたか？ちょっとびっくり顔だったり、ひきつったような笑顔になってしまう猫のフレーメン反応。猫以外にも、トラやウマにもフレーメン反応が存在するのですが、それぞれの種によって表情が変わる、とっても不思議な反応です。大好きな飼い主さんのにおいで、いつもクールに見える愛猫が変顔を披露してくれると思うと、よりいっそう可愛く見えますよね。ネットにも猫のかわいすぎるフレーメン反応の写真がたくさん投稿されていますので、猫の変顔に癒されたい猫好きの方々は、ぜひ一度検索してみてはいかがでしょうか！

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