犬が耳をかゆがっているので犬の耳を見てみると、耳の中が黒いことはありませんか?実はこれはただの耳垢ではなく、なんらかの病気が原因となっている可能性があります。犬の耳の中が黒いことから考えられる病気についてご説明いたします。
耳ダニ感染症の可能性がある
体長0.3mm程のミミヒゼンダニというダニが、犬の耳の中に寄生し、黒い多量の耳垢ができている可能性があります。症状としては、黒い耳垢のほかに、頭を振ったり壁や地面、物にこすりつけてかゆがったり、耳から強いニオイがしてくるといった症状がみられます。
耳ダニ感染症の原因
犬が耳ダニ感染症を起こしてしまう原因として挙げられることは、2点あります。まずは、同じ耳ダニ感染症を発症している犬との接触をしてしまうことが原因となって発症する場合です。ドッグラン等で様々な犬と接する機会の多い犬が、ほかの犬に移されてしまいます。
また、犬の耳の中を清潔に保っていない場合、耳ダニが犬の耳垢を餌にして成長し、耳の中で卵を産み、耳ダニが繁殖してしまうことが原因となって発症してしまいます。
耳ダニ感染症の治療方法
耳ダニ感染症の治療は、犬にとってそこまで負担はかかりません。主に塗り薬や点耳薬によって治療を行います。獣医師の指導の下、飼い主自身でも投薬は出来るでしょう。
しかし、ボーダーコリー等の犬種は、一部の薬の投薬を薦めていないことがあるため、治療を行う際は、必ず獣医師と相談した上で行いましょう。また、治療と並行して、家の中を洗濯・消毒する等をし、ミミヒゼンダニを死滅させることも忘れずに行いましょう。
垂れ耳の犬種は要注意!
ラブラドールレトリバーやアメリカンコッカースパニエル等の、垂れ耳の犬種は耳に関する病気になる可能性が高いため注意が必要です。
夏季等の湿気が高い時期は、犬の耳の中が蒸れやすく、不衛生になることがあります。そのため、日頃から耳の中のチェックを怠らず、汚れがある場合には速やかに掃除をしてあげると、耳の病気の予防になるでしょう。
耳ダニ感染症は飼い主が原因になることも!
耳ダニ感染症は、必ずしも犬だけが原因になるわけではありません。飼い主がほかの耳ダニ感染症に感染している犬に接触し、洋服や手等にミミヒゼンダニが付着し、部屋中にミミヒゼンダニの卵を落としたり、その手で愛犬に触り、愛犬が感染してしまう可能性も考えられます。
そのため、外出先から帰ったら、まず着ていた衣服を洗濯したり、玄関先で軽く服を払い落とす等をすることで、ミミヒゼンダニの卵を家に持ち込むことを防ぐことが出来るでしょう。
黒い耳垢を見つけたら、掃除する前に動物病院へ!
愛犬にいつもと違う耳垢が付着していた場合、汚いと感じすぐに掃除してしまいがちですが、まずは動物病院へ連れて行くようにすることをおすすめします。獣医師は、犬の耳垢を確認した上で診察し、耳ダニ感染症であると判断します。
そのため、先に耳掃除をしたあとに動物病院へ連れて行くと、病気の判別がつきにくくなってしまいます。犬の耳垢は、黒っぽかったり、茶色、黄色がかった耳垢が出来ることがあります。
耳垢の色やニオイによって病気を診断しやすくなりますので、いつもと異なる耳垢であった場合には、なるべく早めに獣医師へ診察してもらうと良いでしょう。
まとめ
犬の耳が黒い場合は、耳ダニ感染症の可能性が高く、この病気の症状は、犬にとってはとてもつらい症状です。人間のように、かきたい部位をかけるわけではなく、壁や地面に頭をこすりつける程、強いかゆみを引き起こしてしまいます。そうならないためにも、家の中や犬自身を日頃から清潔に保ち病気の予防をしていきましょう。