私たちが何気なく食べたり、そばに置いたりしているものの中には、ペットにとって危険なものがいくつもあります。愛犬や愛猫がうっかり食べてしまうと、命にかかわる事態に陥る可能性も。下に挙げるような食べ物や植物をペットの手の届くところに置いていないかどうか、もう一度確認してください。
絶対に食べさせてはいけない&注意したい食べ物
重い中毒症状を引き起こす危険な食べ物と、すぐに命にかかわるわけではないけれど長期的に見て与えない方が良い食べ物を解説します。
危険度:高!絶対に食べさせてはいけない食べ物
●ネギ類…赤血球を破壊し、貧血や腎障害の原因になり、重症の場合は命にかかわります。玉ネギ、長ネギ、ニラ、ニンニクは要注意。
●チョコレート…中毒を起こすと嘔吐や下痢、けいれんなどの症状が出て、死に至るおそれもあります。
●ナッツ類…嘔吐やけいれん、発熱などの症状が出ます。丸飲みして腸に詰まってしまう危険もあります。
●アボカド…果実はもちろん、種や皮にもペットにとって毒になる成分が含まれます。食べると嘔吐や下痢を起こし、死に至るおそれもあります。
●鶏や魚の骨…のどや内臓に刺さるおそれがあります。
●アルコール…犬・猫ともにアルコールを分解できないため、嘔吐や下痢を引き起こし、死に至るおそれもあります。
●カフェイン…人間より体の小さなペットは、少量のカフェインでも中毒を起こすことがあり、チョコレート中毒とよく似た症状を示して死に至るおそれもあります。
危険度:中!摂りすぎNGの食べ物
●牛乳…多くのペットは牛乳に含まれる乳糖を消化できず、下痢をしてしまいます。与えるならペット用のミルクがおすすめ。
●味付けをした食べ物…ペットに砂糖や塩などで味付けされた食べ物を与えるのはやめましょう。砂糖の摂りすぎは肥満につながり、塩の摂りすぎは腎臓や心臓の病気を引き起こします。
塩分(ナトリウム)は生きる上で絶対に必要な成分ではありますが、市販のペットフードには必要量のナトリウムがすでに含まれているので、過剰に摂取する必要はないのです。
●青魚、マグロ…猫の飼い主さんの中には「猫=魚が大好き」と思う方もいるかもしれませんが、実は猫が生魚を大量に食べるとビタミンE欠乏症(黄色脂肪症)に陥ることや寄生虫に感染することがあります。
また、骨付きのままの生魚を与えると、骨がのどや消化管に刺さってしまう危険性もあります。刺身であっても愛猫には与えないほうがよいでしょう。魚が主原料の市販のフードは加熱され、ビタミンEが添加されているので問題ありません。
置いてはいけない危険な植物
私たちの身近にある植物の中には、ペットが口にすると危険なものがあります。部屋に飾ってある観葉植物や散歩中に生えている草花をペットが食べてしまわないよう注意してください。
●ユリ科の植物…猫に非常に有害で、少量で重度の腎不全を引き起こします。花だけでなく茎、球根、花粉まで危険で、ユリを生けた水すらも飲まないように注意が必要です。
●ツツジ…嘔吐、下痢、昏睡などを引き起こし、死亡するおそれがあります。
●シクラメン…観葉植物としておなじみですが、嘔吐、胃腸の炎症などを引き起こし、死亡するおそれがあります。
●チューリップ、スイセン、ヒヤシンスの球根…胃腸への刺激が強く、よだれや食欲不振、けいれんなどを引き起こします。ペットが掘り起こして食べないように注意。
●カランコエ…茎や葉など全体に毒があり、ペットが食べると心臓障害を起こす可能性があります。
●ナンテン…葉にシアン化合物、実にアルカドイロという有毒成分を含み、ペットが食べると昏睡や呼吸不全を起こし、死亡するおそれがあります。
●イチイ…急性心不全による突然死、呼吸困難などを起こし、死亡するおそれがあります。
その他、アジサイ、シャクナゲ、ジギタリス、スズラン、菊、ポトス、セイヨウキョウチクトウなどもペットが食べると危険な植物です。
誤飲・誤食に注意しましょう
食べ物や植物以外にも、ペットが思いがけないものを口に入れてしまうことがあります。いつもと違うものがあると気になって、口でくわえて遊んでいるうちに飲み込んでしまうことは、ペットにとっては十分にありえること。
大切なのは、ペットが誤飲・誤食しそうなものを置かない、あるいはペットが絶対に開けられない場所に保管することです。特に、ひとりでお留守番させるときは要注意です。
ペットが誤食しがちなものとしては、ヘアゴムや毛糸、リボン、ティッシュやトイレットペーパー、つまようじ、針、ペットボトルのキャップなどが考えられます。
また、まれに人間用の医薬品や洗剤などを誤飲してしまうケースも。万が一、ペットが食べ物以外のものを飲み込んでしまった時は、すぐに動物病院へ連れて行きましょう。物によっては命にかかわる場合もあります。また、普段からペットとたくさん遊んであげて欲求不満を解消することも、誤飲・誤食の予防につながります。
まとめ
ペットが危険な食べ物を食べないようにしっかり管理することは、飼い主さんの義務。「つい、うっかり」で取り返しのつかない事態を招かないように、日頃から危険な食べ物や植物などを置かない、ペットが開けられない場所に保管するなど、十分な予防対策をしておきましょう。