仲良しの犬と遊んでいる…と思ったら、愛犬が相手の犬に対して腰を振り、まるで発情中のような行動を!飼い主さん同士も「突然どうしたの!?」と驚いてしまいますし、何より気まずいですよね。興奮した犬が取るこうした行動、しつけで改善することはできるのでしょうか?
腰を振る犬は本当に発情しているの?
犬(特にオス犬)が興奮した時に取る代表的な行動が「腰振り」。人間の足などにしがみついて腰を振る犬もいますよね。性的な行動のように見えるので、飼い主さんはつい「こらっ、やめなさい!」と言ってしまいがちです。
しかし、腰を振る理由は、けっして性的な意味合いばかりではありません。まず、何かうれしいことがあった時、喜びの表現として腰を振ることがあります。
また、自己主張やストレス解消のために行うことも。さらに、相手より自分の方が優位であることを示すマウンティングの意味もあります。
オスに多い行動ですが、気の強いメスもマウンティングをすることがあります。群れで生活してきた犬は上下関係を強く意識する動物。
自分の力を誇示するために、性別を問わずマウンティングをするのです。マウンティングをされた犬は、自分が下に見られたわけなので当然嫌がり、時には犬同士でケンカになることも。
マウンティングをやめさせるには
興奮や喜びの感情表現としてマウンティングをしている時は、相手にせず無視をするのが効果的です。「だめっ!」などと注意すると、犬は飼い主さんにかまってもらえたと勘違いして、マウンティングが習慣化してしまいます。
犬が興奮してマウンティングを始めたら、冷静に犬から離れ、10分ほど無視してください。日頃から散歩したり一緒に遊んであげたりすることでストレスが解消され、マウンティングの回数が減ることもあります。
また、犬が上下関係を示すためにマウンティングをしている場合は、犬が飼い主さんのことを見下している可能性があります。基本的なしつけを一から教え直す、悪いことをした時にはきちんと叱るなど、時には厳しさも見せるようにしてください。
他の犬に対してマウンティングをしそうになったら、リードを引っ張ったり体を押さえたりしてやめさせ、愛犬を連れてその場を立ち去ります。
性的な行動としてのマウンティング
発情期のメスが近くにいる場合などに、オス犬が性的な行動としてマウンティングを行うことはもちろんあり得ます。メス犬の出すフェロモンに反応した、生き物として当然の行動と言えます。
この時のマウンティングは子孫を残すことが目的なので、放っておくと交尾、妊娠に至ることもあります。子犬を産ませる気がないのなら、避妊手術を受けていないメスと未去勢のオスを不用意に近付けないよう注意してください。
なお、オスは去勢手術をすることで腰振り行動がぐっと減ります。犬にとっては交尾をしたい欲求を抱えたまま過ごすことは大きなストレスになります。犬に子どもを作らせる気がないのなら、去勢手術も視野に入れましょう。
まとめ
無邪気な愛犬が腰を振っている姿を見て、「どうしてそんなことをするの!?」とショックを受ける飼い主さんは少なくありません。でも、人間の興味を引くための自己主張や、遊び半分の行動といったケースも多いので、飼い主さんの対応としては「怒らず騒がず」が基本。さらに、散歩や遊びなどでしっかり運動をさせ、基本的なしつけをきちんと施すことが、マウンティングをやめさせる近道です。