猫 耳 熱い
猫の飼い主さんなら、愛猫の耳がひんやり冷たい時と、いやに熱い時があることに気付くでしょう。「熱があるのでは!?」と心配になるほど熱いのに当の猫はいたって元気、というケースもよくあります。猫の耳はなぜ熱くなるのか?その原因と、飼い主さんが気を付けるべき点を探ってみます。

猫は耳で体温調節する?

猫 耳 異変
人間は暑い時には汗をかき、気化熱によって体温調節しています。しかし、猫の体表には汗腺がなく、さらに全身が被毛で覆われているため、熱を体の外に逃がしにくくなっています。

そんな猫の体の中で数少ない「熱を外に逃がすことができる部位」が、耳。耳には毛細血管がたくさんあり、表面の毛も薄いため、放熱しやすい部位です。その他、肉球や鼻先などでも体温調節を行います。肉球がしっとりと汗をかいていたり鼻先が湿ったりしているのは、体温調節のためなのです。

興奮時や眠い時には耳が熱くなる

耳には放熱の役目があるため、おもちゃで遊んだり運動したりした後は、クールダウンするために熱くなります。また、動物病院など慣れない場所に連れて行かれた時にも、興奮状態になって耳が熱くなることがあります。

この時、多くの猫は鼻も濃いピンク色になっているはずです(鼻先が茶色や黒色の猫ではあまり変化が見えませんが…)。こうした場合の耳の熱さは、しばらくすると落ち着いてくるので特に問題ありません。
猫 耳 原因
また、眠い時にも耳が熱くなります。人間も含めた動物は、眠りに入る時に徐々に代謝を落として体温を下げていきます。猫も体温を下げるために耳や肉球などから放熱し、最後には脳の温度を下げることで眠りに入ります。

つまり、猫の耳が熱いのは、これから眠ろうとして体温を下げている状態。ぐっすり寝込んでいると耳は逆に冷たくなります。

異常な熱さの見分け方は?

興奮時や眠りかけでもないのに耳が異常に熱い場合は、発熱している可能性があります。食欲減退、下痢や嘔吐、くしゃみや鼻水、息遣いが異常に荒いなど、いつもとは異なる様子がないか、愛猫をよく観察しましょう。

猫の発熱の原因として可能性が高いのはウイルスや細菌による感染症です。特に鼻水やくしゃみ、目やになどが多い場合は、いわゆる猫風邪(猫ウイルス性鼻気管炎など)が考えられます。

若く健康な猫なら自然治癒する場合もありますが、子猫やシニア猫の場合は体力や免疫力が十分にないため、重症化することも考えられます。異常に気付いた時点で、まずは獣医師に相談してみてください。診察を受けて抗生剤や抗ウイルス剤をきちんと投与すれば、多くは1週間ほどで症状が治まります。

暑い時期には熱中症の可能性も

猫の耳 熱い
先ほども述べたように、猫は人間より体温調節をしづらい動物。人間の感覚で室温を調節していると、猫が熱中症を起こす危険性があります。

もし、夏の暑い時期の室内で愛猫の耳が異常に熱くなっていたら、エアコンをかけるか設定温度を下げる、日陰を作る、新鮮な飲み水を用意する、といった対策をとってください。元気がない様子が見られたら、一刻も早く動物病院へ。

まとめ

猫の耳が熱い一番の理由は体温調節のため。熱くても冷たくても愛猫がいつもと変わらず元気そうであれば、特に心配はいらないでしょう。
ただし、上でも述べたように耳が熱く元気がない、くしゃみや鼻水といった異常が見られる時は、感染症などの可能性が考えられるので迷わず動物病院へ。耳は愛猫の健康のバロメーターになるので、1日に1回くらいは嫌がられない程度にそっと触れてみてください。

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