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愛らしい表情や無邪気な仕草で私たちを和ませてくれるペットたち。その反面、生き物との生活には予想外のトラブルも付き物です。「こんなはずじゃなかった」と嘆く前に、ペットと暮らす上で起こりがちな問題とその理由、そして対処法についてをしっかりと知っておきましょう。

最初から「お利口さん」のペットなんていない!

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私たちがよく知っておかなければならないこと、それは、最初から完璧に「お利口さん」なペットなどいないということです。ペットと人間が楽しく共生していくためには、ペットに「してほしいこと・してほしくないこと」を覚えてもらう必要があります。

それがしつけです。しつけをしなければ、ペットは気持ちの赴くままに振る舞い、結果としてその行動が飼い主さんを困らせることに繋がります。

また、猫には犬のようなしつけはできません。単独行動をする動物である猫は、制約されることを嫌います。「うちの猫は、いくら叱っても全然いたずらをやめてくれない」と嘆いている飼い主さんもいるかもしれませんが、そもそも猫をむやみに叱ること自体が意味のないことだと言えます。

犬の“困った行動”の理由と対処法

飼い主さんを悩ませるペットの行動の数々。でも、けっして飼い主さんを困らせたくてしているわけではなく、そこには彼らなりの理由があるのです。

そして、その理由を私たちが理解すれば対策をとることも可能。まずは犬によく見られる問題行動の理由と対処法を解説します。

すぐにうなる、歯を見せて威嚇する

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【原因】
他の犬や人間と触れ合わずに幼少期を過ごし、子犬の時期にきちんとしたしつけをされなかった犬に多く見られる行動で、社会化がうまくできていない可能性があります。また、幼少期に人への恐怖を感じるトラウマ的な経験をした犬は恐怖心から攻撃的になることもあります。

【対処法】
まずは犬に、「あくまで飼い主がボスで、自分はその下」であることを学ばせる必要があります。オスワリやマテ、フセなどの基本行動を覚えさせ、できるようになったらごほうびをあげます。

遊びや散歩も犬の要求に従うのではなく、あくまでも飼い主が主導権を握っていることが大切です。そうすることで犬は「自分の要求をかなえたい時は飼い主さんの言うことを聞くべきなんだ」と学習します。

ただし、攻撃的な行動をとる犬を家庭でしつけ直すのは難しく、失敗すると事態が悪化することも。攻撃性を矯正するためには、ボスとなる一人だけでなく、家族全員がこの対処法に参加するべきですが、特に幼い子供がいる家庭では、しつけの専門家に助言を求めるなど、頼ることも視野に入れましょう。

無駄吠えがひどい

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【原因】
犬はひとりでいることの不安から吠えたり、飼い主さんにかまってもらいたくて気を引くために吠えたりします。また、欲求不満や環境の変化などのストレスを発散するための「八つ当たり」かもしれません。

ひとりでいることに慣れていない、散歩や運動を十分にさせていない、吠えるたびに飼い主さんが犬のところへやってくる、家の中に犬の落ち着ける場所がない、などの理由が考えられます。

【対処法】
犬にとって吠えることは自然なことですが、度を越えた吠え方をしたときには対処が必要です。まず、悪い行動を褒めてはいけません。してほしくない場面で無駄吠えをした時には罰を、我慢できた時にはごほうびを与えます。

罰と言っても痛みや恐怖を与えるのは絶対にNG。また、飼い主さんが罰を与えていると犬に思わせるのもおすすめできません。不意に大きな音でびっくりさせる、水鉄砲で犬に水をかけるなどして、声を荒げずに「いけない」と教えます。

「無駄吠えをしたら、何だか嫌だったな」と犬に覚えてもらうことが大切です。無駄吠えをしたからといって、怒鳴るのは絶対に禁物です。

猫の“困った行動”の理由と対処法

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犬とは異なり、しつけが通用しづらいのが猫。猫に覚えてもらうというより、問題行動を起こさないよう人間が先回りして予防する、という対処法が適切です。

くさ〜いオシッコでマーキングする

【原因】
臭いの強い尿を壁や家具などにかけるスプレーと呼ばれる行為は、オス猫に多く見られます。こうすることで、縄張りに自分の臭いをつけているのです。スプレーの効力は24時間と言われ、少しでも臭いが薄まると猫は再度スプレーを行います。

【対処法】
オス猫のスプレーは、去勢手術をすることでその多くが改善します。しかし、去勢をする時期が遅くてスプレーが習慣化してしまっている場合や、中には多頭飼育などによるストレスが原因でスプレーが続いてしまうケースもあるので、猫の周囲の環境にも気を配ることが大切です。

いたるところで爪をとぐ

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【原因】
猫の爪とぎもマーキングの一つ。自分をなるべく大きく見せるため、大胆に伸び上がって柱や壁をボリボリ引っかく猫もいます。

また、猫の爪は古くなると外側の角質がはがれてくるので、猫は古い爪を剥がしてさっぱりするためにも爪をとぎます。狩猟動物である猫にとって爪は武器になるので、爪とぎは大切な武器の手入れでもあるのです。

【対処法】
爪とぎは新陳代謝をする上で欠かせないものであり、マーキングや武器の手入れとしても止めることはできない、本能的な行為です。

爪とぎの本能を止められないなら、爪とぎボードなどをきちんと準備してあげることで、といで良い場所を限定しましょう。そして、大事な家具や壁などは、保護シートや猫が嫌う臭いのスプレーなどで守りましょう。

まとめ

ペットは命ある生き物です。彼らなりの意志をもって行動していますから、人間の思い通りにならないことはたくさんあります。そのことを念頭において、適切に対処できる人こそが、ペットと暮らす幸せを知ることができるでしょう。

繰り返しになりますが、ペットの困った行動には必ず原因があります。理由をきちんと知って対策をとれば、きっとペットと良いパートナーになれるはず。しつけは間違った方法では解決につながりません。ペットの行動に悩んだときは、ドッグトレーナーや獣医師といった専門家に相談してみましょう。

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