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共働きの家庭が増えている昨今、愛犬にお留守番をさせざるを得ない方も多いのではないでしょうか。基本的に犬は長時間のお留守番が苦手です。そうは言っても留守番させないわけにはいかない…そんな飼い主さんのために、愛犬をなるべく寂しい気持ちにさせず、上手にお留守番させるコツをお伝えします。

お留守番を「特別なもの」にしないこと

古くから群れで生活してきた犬は、もともと社会性の強い動物。特に母犬や兄弟たちと一緒に育ってきた犬は、ひとりきりで過ごすことに慣れていないため、初めのうちはお留守番に強い不安を感じます。

犬によってはストレスから体調を崩したり、問題行動を起こしたりすることもあります。家にやって来たばかりの犬に、いきなり長時間のお留守番をさせるのは避けた方が良いでしょう。
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まずは一日に何度か、30分間から1時間はひとりで過ごすことを教えます。最初は5分くらいから始めるとよいでしょう。そして、10分程度の軽い外出をして、飼い主さんがいなくなっても帰ってくることを覚えさせます。犬が慣れてきたら少しずつ時間を延ばしていきます。

出かける時に、「●●ちゃん、バイバイ」「いい子にしていてね〜」などの声かけは禁物。犬にとって飼い主さんの言葉がお留守番開始の合図になり、不安を感じてソワソワと落ち着かなくなってしまいます。なるべく犬の目の前では外出の合図になるような仕草、例えばコートを羽織る、カバンや家の鍵を手にするなどの行動を見せずに、外出を悟られないようにします。

そして、できる限り自然な態度でサッと出かけましょう。そうすれば、犬は飼い主さんの行動から外出の気配を感じとることなく、留守番への不安を募らせることはないでしょう。このように気をつけることで、いつしか犬も「飼い主が外出することはいつものことで、時間がたてばちゃんと帰ってくる」と認識し、お留守番に慣れていきます。

お留守番をさせる時は家の中を安全に整えて

犬を長時間ひとりにする時は、犬の置かれた環境を整えることを忘れずに。極端な暑さや寒さはないか。誤飲・誤食につながりそうなものが出しっぱなしになっていないか。新鮮な水とフードは十分にあるかなど、しっかりとチェックしましょう。

お留守番の間、犬をサークルに入れるのも有効です。飼い主さんの中には「狭いところに閉じ込めるのはかわいそう」と考える人もいるようですが、犬は狭い場所を好む性質があるので、実はそれほど苦にはなりません。
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さらにお留守番中は寝て過ごすことが多いため、サークルは安心できる心地よい寝場所になります。犬がサークルに入ってくれていれば飼い主さんもそれほど神経質にならずに済みますし、誤飲・誤食も防止できます。

とは言え、まったくサークルを使用したことのない犬が、いきなりサークルに入れられたら不安を感じるかもしれません。これについても徐々に慣らすことが大切で、まずはサークルやケージは楽しい場所だと犬に覚えてもらいましょう。

普段から、「ハウス」の合図で中に入ったらおやつなどのごほうびをあげるなどして「ここに入るといいことがある」と犬に気づかせ、サークルの中で過ごすことに慣れてもらいます。

留守番が極端に苦手な犬は「分離不安症」?

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飼い主さんが外出の準備を始めるとソワソワして後を追いかける、飼い主さんの服をかむ、よだれを大量に垂らす、ドアを閉めると大声で吠え続ける、トイレ以外の場所で排泄をする…。こんな行動を繰り返す犬は、分離不安症かもしれません。

まずは下記の項目をチェックしてみてください。1つでも当てはまる場合は分離不安症か、予備軍と言えます。

□ひとりになった時に問題行動(不適切な排泄や破壊行動など)が強く現れる。
□飼い主さんの後ろをつきまとう。
□飼い主さんが外出の準備をするとほえる、興奮する。
□飼い主さんが帰宅すると興奮し、過剰に喜ぶ。
□時間の長さにかかわらず、ひとりになることが苦手だ。

犬と適度な距離を保ち、自立させることが大切

分離不安症とは飼い主さんと離れてひとりになることに過度の不安を感じ、上記のような行動を取る症候群のこと。近年、ペットが家族の一員としてより多くの愛情を注がれるようになりましたが、過剰な愛情がペットの分離不安症を引き起こしているとも言われています。

飼い主さんに依存する傾向の高い犬ほど分離不安症になりやすく、他にも動物愛護センターで孤独に過ごした経験や飼い主との離別、周囲の環境の変化などが発症要因になると考えられています。
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対処法としては上記に挙げたように、留守番の前後で声かけなどの特別な行動をとらないことや日頃から犬の要求を常には答えないなどの生活習慣が大切。おやつを与えて犬が夢中になっている間に、こっそり外出するのも手です。

また、帰宅時にも特別な反応はせず、犬がどんなに騒いでいても数分ほど無視することが効果的です。喜ぶ愛犬を無視するのは飼い主さんにとってつらいことかもしれませんが、愛犬が自立した犬になるために必要なトレーニングなので、お互いのためにがんばりましょう。

まとめ

愛犬が飼い主さんとずっと一緒にいたいように、飼い主さんだって本当は愛犬と離れたくなんてないですよね。だからこそ、一緒にいられる時はめいっぱい遊んで、愛情を注いであげましょう。お留守番をしてもらった分、帰ってきたらたっぷり遊ぶ!というメリハリのついた関係は、犬と飼い主さんの双方にとって理想的です。

そして、大切なことは遊びを始めるのもやめるのも飼い主さんが主導権をもって行うことです。お留守番を上手にルーティン化して、愛犬がひとりのときでもストレスを感じることなく、安心して自宅で過ごしてもらいましょう。

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