可愛い愛犬との暮らしの中で、切っても切り離すことができないのが病気の問題です。犬は言葉を話せない分、わたしたち飼い主が、日々愛犬の体調チェックをしなくてはいけません。昨日までと違う、「おかしいな?」に少しでも早く気付くことが重要です。なんだかいつもよりお腹が膨れている気がするけれど・・・もしかしたら病気が潜んでいるかもしれません。
お腹が膨れているときのチェック項目
まず最初に疑われるのは、食べすぎです。ご飯の量はいつもと同じだからといって油断してはいけません。もしかしたら、私たちが気付かないうちに、こっそりとフードや人間の食べ物を大量に食べてしまっているかもしれません。フードを食べすぎた後に水をたくさん飲むと、お腹の中でフードが膨れます。
そうなると、胃のキャパオーバーとなって嘔吐してしまったり、場合によっては急性の胃拡張を起こし、命の危険を伴うこともあります。家族のいないあいだにこっそりと何かを食べたような形跡や、嘔吐物が無いかどうか、家の中をくまなくチェックしましょう。
もしも人間の食べ物、例えば玉ねぎやネギが使われた料理、チョコレートなど、有害なものを食べてしまった場合はすぐに動物病院に連れて行きましょう。
次に心配なのは便秘していないかどうかです。一日2食を与えている場合、健康な成犬の一日当たりの排便回数は2、3回です。丸二日以上便が出ていない場合は、便秘が原因でお腹が膨れているのかもしれません。
食事の内容や飲水量、運動量、トイレの場所など、便秘の原因になりそうな変化が最近あったかどうか見直してみましょう。
食べすぎ、便秘ではない場合は?
フードなどを盗み食いした形跡もなく、排便回数に異常が無い場合、考えられる病気はいくつかあります。回虫などの寄生虫が腸内に寄生していると、慢性的な腸炎を起こして腸管にガスが溜まってしまい、お腹が膨れたようになります。
また、有名なフィラリア症でも、フィラリアが心臓に寄生した場合に、お腹に水がたまる症状(腹水)が見受けられ、お腹が膨れて見えます。獣医師に定められた期間は、フィラリアの予防をきちんと欠かさずに行いましょう。
他にも、心臓病や肝臓病、腎臓病など内臓の病気になると、むくみがでたり、腹水が溜まる、あるいは内臓自体が腫れることでお腹が膨れることがあります。また、腫瘍がお腹の中にできたり、メス犬の場合は子宮に膿が溜まる病気によってお腹が腫れたりします。
恐ろしい病気から愛犬を守るには
お腹が膨れていることに気づいたとき、病気だったらどうしよう・・・と悩む前に、まずは病院に連れていくべき状態なのかを判断する力が必要です。
そのためには、フードや人間の食べ物を盗み食いできないように、愛犬が届かない場所に保管するなど、きちんと環境を整備しましょう。お留守番中に、ゴミ箱を荒らして、気になる匂いのする生ごみなどを食べてしまう子もいます・・・好奇心が旺盛で、留守番をさせるとどうしてもいたずらをしてしまう子は、家族が帰るまでサークルでお留守番ができるようにトレーニングするようにしましょう。
また、健康なときの排便回数をきちんと把握しておきましょう。お散歩でしかトイレができない子には、トイレを我慢させることのないように必ず一日2回は散歩に連れ出してあげるようにしてください。散歩が難しいようであれば、家の中でのトイレトレーニングをしてあげてくださいね。
迷ったら動物病院へ!
いかがでしたか?ただの食べすぎかと思ったら大変な病気だった!なんてことのないように、異変があった際にはかかりつけの動物病院に電話で問い合わせができると安心ですね。病院の先生に症状を伝えるときには、お腹の膨れ以外にもなにか症状があるかどうか聞かれるかと思います。うまく言葉で伝えられなくても、自宅での愛犬の症状や様子を、動画や写真などで記録しておきましょう。それを見てもらうことで、獣医師にも症状が伝わりやすくなります。
また、すぐに病院にいけない場合には、webで獣医師さんに相談できるサービスもありますので、利用を検討してみてもいいでしょう。症状を伝えることで、すぐに病院に行くべきか、様子を見た方が良いのかを相談することができます。愛犬が健康で長生きできるように、日々のスキンシップを通して体調をチェックをし、病気の早期発見に努めましょうね。