cat sit near the window
窓の外をじいっと眺めている猫をよく見かけます。身動きもせずに、窓の外を見つめる猫ちゃんは、いったい、何を考えているんでしょう。自由の世界に出たいなあと夢見ているようにも見え、猫を完全に室内飼いしている飼い主さんは、たまには外に出してあげる方がいいのかなあと悩みますよね。今回は猫が外を見る理由や外飼い、室内飼いについてご紹介します。

猫は、縄張りを見張る生き物

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猫は本来、広くあちこちを歩き回る生き物ではありません。縄張りの範囲内にとどまって満足している生き物です。ですが、縄張りを守る意識はとても高くて、自分の縄張りをいつも見張り、邪魔者が入ってこないか、縄張りの中に異変が起きていないかどうか、注意をめぐらして暮らしています。

室内飼いの猫ちゃんにとっては、家の中が自分の縄張り。ですから、窓の外をじいっと見張って、邪魔者が入ってこないかどうか、不審者がうろついていないかどうか、縄張りの境界線で見張っていると考えられます。外を歩き回りたいわけではないでしょう。窓を、見張り台にしているのですね。

窓から外を見張っていると、いろんな音が聞こえてきますし、いろんな物を見ることができます。ですから、聴覚や視覚の刺激になり、ストレス解消につながります。猫ちゃんが、窓の外をじいっと見張っていても、あんまり気にせずに「見張ってくれてご苦労さん」くらいの気持ちでいたらいいと思います。

一度外に出ると、縄張りが広がる

Cat walking on a fence.
ただし、一度外に出てしまうと縄張りの範囲内はグッと広がります。どれくらいの範囲を自分の縄張りにするのかは、それぞれの猫次第ですが、かなり広い範囲を縄張りにするといわれています。一度、縄張りを広げてしまうと、縄張りの範囲内を見張らずには落ち着かなくなり、毎日、外に出かけたがります。

いったん、外に出てしまったら、その後、室内飼いにするのはかなり難しいでしょう。自分の縄張りの見張りができないと、猫にはものすごくストレスになります。見張りがしたくて、それこそ、外にあこがれて大きな声で鳴いたり、ドアをひっかいたりするようになるかもしれません。

ですから、外に出す時は外飼いをするときっぱり決めてから、外に出す方がいいですね。少しでも、外に放したらその後はずっと外の縄張りをグルグル回って暮らすことになるということを頭に入れて、猫を外に放つようにしましょう。

外飼いと、室内飼いってどっちがいいの?

ねこ
外に自由に放つ外飼いと、一生の間を室内で暮らす室内飼い。つまりは、町の中に縄張りを持つか、家の中だけの範囲を縄張りにするかという違いですが、猫にとって、どちらが幸せかということは、それぞれの飼い主さんの考え方になるのではないかと思います。

それぞれにメリット、デメリットがあります。外飼いにすると、交通事故の危険性が増えます。また、どんな生き物に襲われてしまうかわかりません。外の世界には、猫にとって危険なことだってたくさんあります。危険をうまくかいくぐる猫もいるでしょうが、車にひかれてしまったり、野生動物に襲われてしまうことだってあるでしょう。そのリスクを覚悟で、外に放たなければなりません。

また、病気を拾ってくる可能性も高くなります。外飼いは寿命も短くなり、室内飼いが15歳前後まで生きるのに比べ、外飼いにすると、7歳前後で亡くなることが多いといわれています。けれども、外飼いにすれば、運動量はグッと増えます。ですから、肥満予防につながります。また、さまざまな刺激にあうため、聴覚、嗅覚、視覚などが発達しますし、他の猫との交流もできますね。

室内飼いにすれば、交通事故や、野生動物に襲われる危険性などは、グッと減ります。常に、猫のことを見張っていられるため、健康管理もしやすくなりますよね。ただし、室内ではどうしても、運動量は少なくなってしまうので、積極的に遊ばせてあげたり、運動できる環境を整えてあげることが重要です。

活発な猫ちゃんの場合は、よく遊ばせてあげないとエネルギーが有り余って、電気コードをかじってみたり、風呂の中に頭を突っ込んでおぼれそうになったり、いろんなところで爪とぎしたりといたずらが絶えないというデメリットがでてきます。ですから、もしも、室内飼いをつらぬくなら、猫ちゃんがいっぱい遊べるように、工夫してあげることが大切ですね。

まとめ

いかがでしたか。一生、家の中で過ごす猫ちゃんは不幸せということはないと思います。家の範囲内が縄張りならば、猫ちゃんはそこで満足して暮らすでしょう。あなたの猫が、どのような形で暮らせば幸せになれるのか。一度考えてみるのも大切ですね。