もし、おうちの猫が突然下痢になったらどう対処しますか?下痢しているけど、元気に遊んでいるし、食欲も変わらないから大丈夫かな…など、多少不安があっても、どうしたらいいのかわからない飼い主さんも多いはず。今日は、猫の下痢について少しでも知識を持っていただきたいため、ご紹介したいと思います。
猫の下痢について
猫の下痢は、2~3日続いているようなら要注意ですが、逆に一過性の下痢の場合もあるのでどの様な状況でなってしまったのか、飼い主さんが考えられる色々な原因を探して見ましょう。
一過性の下痢なのかをチエックする
① どんな食事を与えたか
② 食べ過ぎていなかったか
③ 食べた事が無い物を食べていないか
④ 何か拾って食べなかったか
⑤ 環境が変わったなどのストレスが無いか
⑥ 新しい家族が増える、新しい動物の存在を確認したなどがないか
⑦ ストレスが加わるような事をしなかったか
⑧ お風呂に入れたか
⑨ ホテルなどに預けてたか
この様な事があって下痢になった場合は一過性の下痢と見られます。
原因が分からずに深刻な下痢もあります。その様な場合は一刻も早く検査と適切な処置をうけましょう。
便の状態は
下痢とは、腸管での何らかの異常から便の水分量が正常より増した状態であり、その状態は軟便から水様便まで幅広く見られます。下痢は消化不良など胃腸の一過性のトラブルでもよく起こりますが、中には小腸や大腸の重い疾患や、また胃腸由来ではない疾患の結果として起こる場合もあるため、時には軽視できない症状のひとつです。
小腸性の下痢か大腸性の下痢かはその中でも重要な情報で、下痢便の様子からある程度類推することができます。
大腸の下痢
排便時にしぶりがある、粘液が一緒に出る、真っ赤な血便をしている
小腸の下痢
普段よりも便の量がとても多い、痩せてくる、真っ黒や褐色の血便を伴うことがある
猫の感染症と寄生虫による下痢
猫の下痢で注意が必要な代表的な感染症病気と寄生虫による下痢
猫の感染症の下痢
◎猫免疫不全ウイルス感染症・猫エイズ(ワクチン接種で予防可能)
慢性的な下痢、歯肉炎、発熱、結膜炎、鼻炎、皮膚炎などが見られます。
これらは、猫白血病にも見られます。
感染した猫の唾液や、母猫のお腹の中で感染する事もあります。
◎猫汎白血球減少症(ワクチン接種で予防可能)
白血球が極端に少なくなる感染症です。
非常に伝染力が強いので感染すると重症になります。
食欲不振、嘔吐、下痢が見られます。
下痢は黄色みがかった半固形便か、水溶性で血が混じることもあります。
寄生虫による下痢
◎鈎虫
猫の消化管内に存在する寄生虫です。
下痢、血便、突然死、衰弱、栄養障害を起こします。
サイズは1~2cmです。
◎鞭虫
盲腸、まれに結腸に寄生します。
腹痛、下痢、粘血便、食欲不振、脱水症状が起こります。
サイズは5~7cm
◎回虫
猫の消化管からかなり多く見られます。
感染方法は汚染された土の中からや他の犬、猫の糞便からや母猫の胎盤感染などがあります。
サイズは5~18cm
猫の下痢対策
下痢にも色々な原因と病気の症状があります。猫の感染症の場合は、室内から出さない完全室内飼育とワクチン接種をしっかり受けている事で予防できます。また寄生虫対策については、下痢がひどくて食べているのに痩せているなどが見られたら、動物病院で検便して駆除してもらいましょう。寄生虫のお薬は市販で購入する事が出来ませんので、必ず動物病院で処方してもらいましょう。
下痢をして、食欲もなく元気もない場合まずは動物病院での診察をお勧めします。下痢の他に嘔吐などあると更に緊急性のある病気の場合があります。一過性で元気も食欲もあれば食事を少量ずつ複数回に分けて与えるようにして胃腸の負担を軽減させてあげます。下痢によって体内から水分が失われるため、水分の補給はとても大切です。口から水分を取れない場合は脱水症状になることもあるため、病院で点滴をしてもらうと安心です。
まとめ
猫が突然の下痢になったらまずは、原因を考えて適切な対処法をし重症化しない様に素早く正しい対策をしてあげて下さい。愛猫は痛みや不調などを言う事が出来ないので、飼い主さんが猫の体調の変化を毎日必ずチエックする事はとても重要です。ある日突然の下痢になっても落ち着いて対処してあげて下さい。病院に行った方がいいかなと迷った場合は、webで獣医師さんに相談できるサービスもありますので、利用を検討してみてもいいでしょう。