猫は元来、暑い気候以上に寒い気候に弱い動物です。すっかり寒くなったこの時期、おうちの猫ちゃんはストーブの前から動かなかったり、こたつで丸くなっていたりしませんか?室内で飼われている猫は、なんとか飼い主に「あったかくして!」とアピールできますが、外にいる猫は一体どのように冬の日を過ごしているのか気になりますよね。
事実、寒さを凌ぐことができずに凍死をしてしまう子猫も少なくありません。外猫がどこで何をしているのか分かれば、私たち人間が猫のためにできることもあるものです。寒い時期は早足で道を歩くことが多いですが、「あっここに猫来るかも」と分かれば冬の道も楽しくなるかもしれません。
猫のぬくぬく人気スポット
外猫のすごいところは、どこで暖をとることができるのかをリサーチしているところです。アスファルトの上で寝てしまっては、寒さが身体に沁みてしまいます。細いパイプの上で猫が固まっていたら、もしかしたらそのパイプには温水が流れているのかもしれません。中には、あまりにも寒すぎて人の家にこっそりと潜り込んでしまう猫もいるそうです。
そんな猫たちが比較的簡単に見つけることができて温かい場所・・自動車のエンジンルームは外猫にとって野良ヒーターといってもいいのではないでしょうか。停車したばかりの車のエンジンルームは暖かく、ボンネットの上で置物のように動かなくなって暖をとっている姿は都会でもよく見かけます。車の下も同様の理由で大人気です。
そのため、うっかり車のそばで居眠りをしていた猫が車の発進に巻き込まれてしまうことがあります。冬の日は車のエンジンをかける前に、ボンネットを叩いたり、周りをチェックするのも大切ですね。
猫がおしくらまんじゅう?!
冬の昼間に、日当たりのいい場所で猫がおしくらまんじゅうをするように身を寄せ合ってくつろいでいる姿を見たことはありませんか?通称「猫団子」といって、一匹が温かな場所を見つけると、そこにもう一匹現れてくっつく、またどこからか猫が現れてさらにくっつく、というようにお互いの身体を寄せ合って暖をとっているのです。
多い時は、猫が5匹以上くっついていることもあるそうです。人間から見ると、みんな仲良しで楽しそうだね、なんてほのぼのとしますが、実際は寒い冬を無事に越すための猫たちの知恵なのです。本来猫は群れを作らない動物なので、温かな環境ではなかなか見かけることはありません。冬の晴れたお昼頃、日当たりのいい公園の片隅で、猫団子を見つけることができるかもしれません。
外猫のために私たちができること
冬の寒さに耐えきれずに凍死をしてしまう猫の多くは子猫です。子猫は成猫以上に寒さに弱く、また寒さを凌ぐ術もありません。少しでも多くの猫が無事に春を迎えることができるようになるため、私たちにできることがあります。先ほどもありましたが、まずは車のエンジンをかける前に、周りに猫がいないかどうかを確認するように習慣づけましょう。
次にオススメなのは、外猫が防寒できるスペースを作ってあげることです。藁や毛布を敷いた段ボール箱を外に出しておいてみてください。いつの間にか猫が潜り込んで眠っているかもしれません。使い捨てカイロを新聞紙にくるんで中に入れてあげれば、寒さに凍える猫にとっては楽園です。こんなちょっとしたことで、寒さと戦う猫に協力できるのです。
まとめ
おうちの飼い猫を見ていると、「猫って気楽でいいなあ」なんて考えてしまいますが、外猫はひと冬を越すのも命がけです。もしかしたら、あなたのおうちの近くでも、ささやかな暖かさを求めて猫が迷いこんでくるかもしれません。そんなときは、ちょっとした猫のくつろぎの場を提供してあげる人が少しでも増えると、外猫たちがより良い生活を送ることができるでしょう。