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犬も人間同様にドライアイになってしまうことがあることをご存知でしょうか?当然ながら、犬は自ら「目が乾いた」と言うことはできません。その症状を見て、飼い主さんが早めに獣医師に相談することが大切です。早期発見早期治療が大切なドライアイの症状とその対策をご紹介します。

■ 犬のドライアイとは?

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涙の分泌不足や、目の形状の不具合などから涙が角膜に十分に行き渡らないことによって角膜が乾燥する状態をドライアイと言います。これにより、角膜が傷つきやすくなったり炎症が生じたりします。

涙が角膜全体を潤すには、まばたきにより上下のまぶたが完全に閉じ切ることが必要ですが、犬(特に短頭種)では頭蓋骨に対して眼球が前方にでっぱった形に位置しているため、まぶたを閉じても完全に眼球を覆いきらず、涙が十分に行きわたらない状態が発生しやすいのです。また、自己免疫性疾患の一種で涙の産生量が少ないために起こるドライアイもあります。

■ 犬がドライアイを発症すると様々な症状が出る

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まず乾燥によって角膜や結膜が傷つきやすい状態になり、炎症が生じます。涙は角膜に水分だけでなく栄養を供給しているため、ドライアイの状態が長く続くと栄養を供給するため血管が角膜上に出現し、無色透明な角膜がにごった色に見えるようになります。また、角膜の傷の治りが悪くなるため、ひどい場合では角膜に穴があき失明することもあります。

いずれも強い痛みがあるため、まぶたの開きが小さくなったり、目をしょぼしょぼさせたりする様子が見られます。普段から目やにの量が多い、まばたきが多い、目を痛がる様子があるなど、なんらかの異変に気付いた場合は早めに動物病院を受診しましょう。

ドライアイの治療は点眼薬や軟膏などを使いますが、原因や症状、進行具合によって異なります。主にヒアルロン酸入りの点眼薬を1日に複数回点眼して、涙の量を補充する治療が行われます。軟膏は点眼薬よりも目の表面に留まりやすいため、こちらも併用する場合があります。

自己免疫性疾患などにより、涙の産生量が少ないと診断された場合には、免疫抑制剤入りの軟膏を使います。その他、角膜炎などにより感染が起きている場合には抗生剤を適宜用います。眼瞼内反症、眼瞼外反症など、まぶたの形状の不具合がドライアイにつながると判断された場合には、形成手術を行って対処する場合もあります。

■ ドライアイの予防方法は?普段から目薬を使うこと

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ドライアイは、目が大きくて出ているシーズーやパグなどの短頭種では発症しやすいと言われています。ドライアイを完全に予防することは困難ですが、普段から観察することで早期発見することが可能です。

特に、目が赤かったり、目やにが異常に多くなっている時などは注意しましょう。ほこりや異物、体を洗ったときのシャンプーなどが目に入った場合には、人工涙液などの点眼薬を使って汚れを落としてあげることもできます。

この場合、涙に似た成分のマイティアやソフトサンティアなどいわゆる人工涙液と呼ばれる目薬は人間用の市販薬でも代用ができます。また、ペットショップでも同様なものが市販されています。これらは薬効成分が含まれていないため使用しても害はあまりありませんが、治療が必要なドライアイでは効果が不十分です。目に異常を感じたり、ドライアイと診断されたりした場合には動物病院で処方される点眼薬を使用するようにしてください。

■ 嫌がる愛犬に、目薬をさす方法

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愛犬に目薬をさしたくても、愛犬が嫌がってしまうということがあります。目薬を上手にさすコツは、できるだけ目薬をさすことに気づかれないように、行うことです。目薬は、慣れるまで大変ですが、一瞬で終え、無理に体をおさえたり痛い思いをさせないように気を付けましょう。

目薬をさす際は、まずは目薬を隠しながら犬を保定しましょう。片方の手で頭が動かないように押さえ、目薬は後ろから持って行きましょう。目薬を持った手でしっかりと上瞼を押し上げたら、そのまま垂らしましょう。

ここで注意したいのは、目薬の容器が目の前からきたり、前から体を抑えられると犬は恐怖を感じてしまいます。暴れて、目薬の先端が目や周りの毛に当たってしまうと、衛生上よくありません。後ろからさっと終えて、お互いリラックスした状態でできるようになるとよいでしょう。

■ まとめ

ドライアイになる原因は様々ですが、犬の目のトラブルは多いものです。普段から、目のチェックを行い、目やにが多い、目が赤い、痛そうにしている、まぶたをしょぼしょぼしているなど、なんらかの症状を感じた時は早めに受診しましょう。また目のチェックは普段からお互いリラックスして行えるように習慣にし、目薬の練習をしておくこともよいでしょう。