abyssinian kitten eat catfood from white bowl

チョコレートが大好きで、毎日食べてしまうという人もいらっしゃいますよね?チョコレートに含まれるテオブロミンという成分には覚醒作用があり、その効果によって、少量のチョコレートを日々食べることは健康にもよいと言われています。しかし、猫にとっては、チョコレートが危険な食べ物であるということを飼い主さんは忘れてはいけません。

■ チョコレートが猫にとって危険な理由

Funny baby cat kitten in wicker basket
人がチョコレートを食べると、覚醒作用や興奮作用をもつテオブロミンは体内で代謝分解されます。しかし、猫はこのテオブロミンを代謝分解する能力が低く、解毒されるまでに時間がかかるため、猫の体にとって有毒なものとなります。そのため、猫がチョコレートを食べると、中毒症状が出てしまうことがあるのです。

ただし、どんなチョコレートにもテオブロミンが大量に含まれているというわけではありません。多く含まれているのは、カカオの含有量が多いビターチョコレート。猫の場合、板チョコ1枚ほどで死に至る危険性は少ないものですが、砂糖を含まないベーキングチョコレートなら同じ量でも命の危険につながってしまう可能性があります。

猫はテオブロミンを代謝する能力が低いためにチョコレートを食べた後、数時間から1日にかけて中毒症状が現れると言われています。猫によっては、全く症状が出ない場合もあれば、少しの量でも体調を崩すこともあります。

■ 猫がチョコレートを食べてしまったら


もし、猫がチョコレートを大量に食べてしまい、中毒が起こると、嘔吐や下痢、興奮、抑うつなどの症状が見られ、多尿や血尿、脱水を引き起こすこともあります。また、不整脈や発熱、ふるえ、痙攣や発作が起きることもあります。

猫がチョコレートを食べてしまった時は、早急に吐かせる必要がありますので、まずは獣医さんにすぐに相談しましょう。吐かせる処置を行うには、食べてから30分から2時間後くらいが目途になります。目の前で食べてしまった時は、口の中に残っているチョコレートを取り除き、指などを口に突っ込んで舌を刺激すると吐かせることができますが、対処するのが不安な方はできるだけ早く獣医さんの元に駆けつけるようにしましょう。

飼い主さんが長時間の留守をしている間に、猫がチョコレートを食べてしまうということもあります。その後、水をがぶ飲みしてすでに吐いているということもありますが、ぐったりしているなどなんらかの体調の異変がある場合には、速やかに動物病院を受診しましょう。

■ 普段からチョコレートの保管に注意

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チョコレートが好きな方や、これからお菓子作りをするという方は、普段からビターチョコレートを家においておく習慣があるかもしれません。猫は、高いところに上りますし、戸棚を開けることができる猫もいます。特に子猫の場合は、興味のままにチョコレートをかじり、目を離している時にうっかり食べてしまうこともあります。

チョコレートだけでなく他の食べ物も、普段から誤飲誤食をさせないために、冷蔵庫の中に入れるなど置き場所には十分注意しましょう。チョコレートだけでなく、カカオの成分が多いココアも注意が必要です。猫がいたずらできない場所に入れておくようにしましょう。

それでも、食べてしまったら、まずは冷静になり、猫の呼吸や様子をしっかり見ること、排泄物などをチェックすること、そして早い段階で獣医師に相談することを忘れないようにしましょう。

■ まとめ

猫がチョコレートを食べてしまった時、症状が出ることもあれば、まったく出ないこともあります。しかし、チョコレートに含まれるテオブロミンを代謝し、解毒するまでに時間がかかるため、体内に残っているテオブロミンによって数時間あるいは一日経ってから中毒症状が出ることもあります。まずは、猫がチョコレートを食べないように普段からしっかりと対策をしましょう。それでも、万が一、チョコレートを食べてしまった場合には、気づいた時点で速やかに獣医師に相談しましょう。