進めど進めど無数の脚。目の前に広がるのは脚、脚、脚。そして時より聞こえてくる人の声。飼い犬の視点から見ると、人混みの中を歩くことは、どれだけ怖いことなのでしょうか。でも実はそれは周りを歩いている人からしても同じことなのかもしれません。飼い主からしても人混みの中を散歩させるのは怖いイメージがあります。もし人混みの中で、トイレをしてしまったらどうしよう、怪我をしてしまったらどうしよう…と不安を感じますよね。でも、どうしても人混みを避けられない状況もあるでしょう。そんな時に、飼い主が気にするべきルールは何なのでしょうか。

■飼い犬の周囲にいる人はどう思ってるのでしょうか?

恋は盲目、なんて言いますが、人はなかなか客観的に状況を考えることが出来ないことが多々あります。犬がいて当たり前の生活を何年も送っていると犬を飼っていない人の気持ちは中々理解できないものです。街中を散歩させている時、みんなが犬を好きだと思ってはいけません。過去に襲われた経験がある人、もともと苦手な人・・・様々な人がいます。その人々のことを考えて、散歩して下さい。

といっても「じゃあ、他の人は具体的に何が気になっているの?」と思うかもしれません。犬を飼ったことのない人の声に耳を傾けてみると「蹴とばしてしまうかもしれないのが怖い」という意見が大半でした。もちろん犬に怪我を負わせたいというわけではないが、気付かなければ蹴ってしまっても仕方がない、という意見も見られました。飼い主が本当に犬を大事に思っているなら、抱きかかえたり人混みを避けるなど、なにかしらの対策はとるものではないかとう意見が見られました。

■周りの人に迷惑をかけないために、飼い主として何が出来るのでしょうか?

どうしても人混みを歩かなければならない時、飼い主は何を気を付ければよいのでしょうか。まずは「リードをきちんとつけて飼い主のすぐ側を歩かせる」こと。他の人が不安に感じるのは、犬が飼い主から離れて自由に動き回っている状況のことが多く、私も街中で長いリードをつけている犬を何度か見かけたことがありますが、飼い主の側をきちんと歩かせることで、飼い主も犬も街中の人も安心できるはずです。

そして次に重要になるのはしっかりとしつけをしておくこと。「オスワリ。マテ。」これは必須ですよね。街を歩くとき、信号を待つとき、側を自転車が通る時。どんな状況でも、周囲を気を配り、「お先にどうぞ」と譲る気持ちが大事です。子犬の頃からのきちんとしたしつけは外でも中でも必要不可欠になっていきますね。

■飼い主の意識

犬の散歩に限ったことはないですが、「譲られて当たり前」と思っている人は世の中にどれほど多くいるのでしょうか。街を歩いていてすれ違う時「こちらが譲られて当たり前」と思って容赦なくぶつかってくる人を見ない日はありません。もちろん、その人はその日なにか嫌なことがあって、たまたまそんな態度をとってしまったのかもしれません。しかしそれは他人には全く関係のないこと。常に余裕をもっていきたいものだと思いますよね。犬の散歩も同じなのです。「犬なんだから譲ってくれるだろう」そんな思いは今すぐ捨てましょう。飼い主にはワンちゃんを守る責任があります。犬は、人間社会のルールなど彼らは何も知りません。ワンちゃんに怪我をさせてしまっては、悔やんでも悔やみきれません。安全に楽しくお散歩させてあげましょう。