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地震や台風といった自然災害は、いつ起こるか分かりません。最近になって、人間用の非常食や防災グッズを備蓄している人は徐々に増えてきましたが、愛犬の非常食の準備をしている人は多くありません。災害が起こったとき、流通機能がストップし、日常的に手に入れたものが手に入りにくくなります。食料が不足して、愛犬につらい思いをさせないためにも、愛犬用の非常食をしっかり準備しておきましょう。

■ 食べ慣れたフードと水は最低1週間分を用意

Caring woman feeding the dog
過去の大規模災害の例を見てみると、災害発生日から1週間ほどでペットフードの配給が行われるケースが多かったようです。ですから、犬用非常食と飲料水の備蓄量は1週間分が一つの目安。ただし、災害の規模や場所などによっては1週間以上かかる可能性もあるので、これはあくまで最低ラインと考えておきましょう。

非常時には、犬も動揺してナーバスになります。場合によっては食欲がなくなり、体調を崩してしまうことも。そんなときのために、愛犬用非常食は普段食べ慣れているフードをメインに、嗜好性の高いフードやおやつなど何種類か用意しておくことをおすすめします。「いつも手作り食を食べさせている」という飼い主さんも、災害時を想定して月に数回はドライフードを与えて慣れさせておくと安心です。

■ 種類別・犬用非常食の長所と短所

非常食に向いているのは、具体的にどんなフードなのか?メリット・デメリットもあわせて解説します。

ドライフード

Hand feeding dog food, isolate
最も非常食に向いているのはドライフードです。賞味期間が長く小分けにしても腐りにくいので、犬の非常用持ち出し袋に入れておくのに便利。フードを買い足すときに備蓄しておいたフードを食べさせ、新しいものを備蓄に回せば、消費期限を気にする必要もありません。

デメリットとしては水分量が少なく、食事の際にはきちんと水を飲ませる必要がありますので、犬用のお水も非常食として確保しましょう。

ウエットフード

缶詰やレトルトタイプのウエットフードも賞味期間が長く、水分と栄養が同時に補給できる点では非常食に向いています。環境の変化で食べ慣れたドライフードを食べないときなど、ドライフードの上にレトルトをトッピングしてあげると食欲が増すこともあります。

デメリットとしては、30%以上が水分のため、ドライフードよりもたくさん食べさせないとカロリーや栄養が不足してしまう点が挙げられます。また、缶詰やレトルトパウチはゴミが出るのも難点。持ち物の量が限られる災害時には、ドライをメインにし、ウエットを補助的に組み合わせて与えるのがよさそうです。

おやつ

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避難所など慣れない場所での生活は、犬に多大なストレスを与えます。そんなときのために、愛犬のお気に入りのトリーツや嗜好性の高いビスケットなどを少量持っておくとベター。おやつを与える時間は飼い主さんとコミュニケーションができるので、愛犬の気持ちを落ち着かせることにもつながります。ただし完全な栄養補給はできないので、愛犬の様子を見ながら必要なときに少量ずつが基本。

栄養剤

歯磨き粉のようなチューブタイプになった犬用の栄養剤は、高カロリーでビタミンやミネラルといった栄養を含みます。嗜好性の高いペースト状なので、愛犬の食欲が著しく落ち、体力が低下してしまったときにあると安心。こちらも必要な栄養すべては補えないので、あくまでも補助的に使いましょう。

■ 災害時にはこれが必要!愛犬の非常用グッズ

フードと水の他にも犬との同行避難に必要なものはいくつもありますが、ここでは最低限、必要なものをまとめてみました。愛犬の性質や健康状態に合わせて、これ以外にも必要なものをプラスしてください。

ケージやキャリーケース、リード

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避難時になくてはならないもの。避難所などで生活する場合も、使い慣れたケージやキャリーケースに入れたほうが犬は安心できます。パニックになった犬の逃走防止や他の犬との距離を保つために、伸びないタイプのリードも準備しておきましょう。

迷子札や鑑札

これまでの災害時にも、飼い主さんとはぐれてさまようペットが多く見られました。混乱した状況下では、一度はぐれた愛犬を再び見つけることは困難を極めます。愛犬の首輪には犬と飼い主の名前、連絡先を記した札をつけておきましょう。

事前にマイクロチップを挿入しておくのも手。犬の首の後ろに安全に埋め込むことができるもので、万が一はぐれても行政の専用リーダーで個体情報を読み取ることができます。

ペットシーツ

避難所などでは自由に散歩に行けないことも考えられます。普段からペットシーツで用を足せるように練習しておくとよいでしょう。余談ですが、ペットシーツはいざというときには人間用のトイレとして代用も可能なので、多めに持っておくと安心です。

愛犬に持病がある場合、薬の有無は命にかかわります。災害時には入手が難しくなるので、動物病院で理由を話し、あらかじめ多めにもらっておきましょう。

食器や水入れ

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いつも使い慣れているものがベターですが、携帯しやすい折りたたみ式のものもあります。飲料水のボウルは、無いと特に不便です。

愛犬の写真

愛犬とはぐれてしまったとき、避難所など人が集まる場所に愛犬の写真を貼り出して情報提供を呼びかけるときに使います。紙焼きの写真を数枚準備しておくとよいでしょう。

■ まとめ

災害が起きると、行政の対応はどうしても人命優先になります。家族同然と思っている飼い主としては不条理に思うこともありますが、飼い主だからこそできる準備をいまのうちからはじめることが大切です。避難所でもペット用の物資はほとんど準備されないようです。愛犬を守れるのは飼い主さんしかいません。普段から「もしも」に備えて物資の用意はもちろん、最低限のしつけや、他の飼い主さんとの情報交換をしておくとよいでしょう。