突然、愛犬が「うー」と小さなうなり声をあげると、びっくりする方もいるかもしれません。小さなうなり声も、犬にとっては大切な意思表示。他の犬や、飼い主さんに自分の思いを伝えているのです。愛犬のうなり声について、コミュニケーションのひとつとして知っておきましょう。
■ 小さなうなり声は、警戒の合図
犬が小さな声でバフとうなった時、それが低くて小さなうなり声の場合は少し注意が必要かもしれません。これは、犬が仲間に敵が来たことを教えてくれている合図。敵である相手に警告すると同時に味方には注意を促しているようです。
犬は、集団の中でリーダーを中心とした主従関係をとても大切に生きてきた動物。それが、現代の生活においても反映されていると言います。そのため、敵が来た場合にはうなることで「あっちへ行け!」と警告し、飼い主さんや家族など自分の味方である立場の人には注意を伝えています。お散歩中に、他の犬や人を見かけてうなり声が出るのは、大切な家族を守ろうとしてくれている気持ちによるものかもしれません。
犬同士、お互いのうなり声がエスカレートしてしまうと、エスカレートしてにらみ合いからケンカになってしまうことがあります。攻撃する意図を持ってケンカモードになってしまった場合は、ケガにつながることもあり、注意が必要です。
■ その他に犬がうなる理由とは?
その他にも、犬は様々な理由でうなります。
☑︎ 警戒・注意
上述の通り、仲間を守ろうとしています。
☑︎ 恐怖心
体をガタガタと震わせる場合があります。恐怖心が強すぎると、人が近づくと噛もうとすることもあります。
☑︎ 興奮
人が大好きな犬によくあるケースです。遊んでいて興奮が強くなるとうなることがあります。
楽しい時に出るうなり声なので、あまり心配は要りませんが、興奮のあまり噛む・吠えることがひどくならないように注意しましょう。
☑︎ 自分の立場をアピール
大好きなおもちゃを取り上げるとうなる、おやつやごはんが欲しくてうなるなど、意思表示のためにうなるケースです。
近くに知らない人が来た時には、自分で優位であることを示しています。そのまま攻撃性につながる場合もあるので注意が必要です。
☑︎ 体の不調やストレス
病気や怪我が原因で痛みを訴えているようであれば、すぐに獣医師の診察が必要になります。うなっているところで、無理に触ると、興奮して噛まれてしまうこともありますので、十分注意しましょう。
また、ストレスが溜まっていてうなることもあります。うなる、吠えるという行動は、なんらかの不満やストレスを飼い主さんに訴えている可能性もあるのです。まずは、ストレスになっている原因を見つけ、気分転換させてあげることも必要になります。
■ 犬の唸り声からも気持ちを読み取ろう
犬が小さなうなり声をあげた時に、どんな状況でうなったのか、犬の気持ちを汲み取ることができるようになると、犬とのコミュニケーションが円滑になるでしょう。瞬間的なものであれば、敵が来ていることを教えてくれ飼い主を守ろうとする頼もしい存在ですが、いつもうなり声をあげているようであれば、なんらかの問題行動につながる危険性があります。
愛犬の唸り声には、しっかりとしたメッセージが入っています。「うなってはだめ!」「吠えてはだめ!」とやみくもに怒るのではなく、なぜそのような行動に出たのか、愛犬の様子を見極め、コミュニケーションを取ることが大切です。