犬が食べ物を吐いたり吐くような仕草をしている姿をみると、悪い病気かと心配になる飼い主さんがいますが、犬が吐くことは少なくはなく、一概に全てが悪い病気が原因というわけではありません。とはいえ、当然全てが安心できるわけではなく、危険な病気が原因で吐いたり、吐くような仕草をするなどの症状が出る場合があります。
犬は吐くことで胃腸の状態を整える事が出来る動物なので、吐いた後も元気があって食欲もあれば、そこまで心配する必要はありません。例えば、お散歩中に草などを食べてしまい、その後に吐くのは犬の胃腸が草により刺激されて吐きやすくなるためと言われています。
では、どういう症状であれば、病気を危惧する必要があるのでしょうか?
犬が嘔吐する病気
犬が嘔吐(もしくは空嘔吐)をする原因となる病気で代表的なものとしては下記が挙げられます。
◎中毒
◎胃潰瘍、腫瘍・・・・吐物がコーヒー色
◎胃捻転・・・・・食道と胃の入り口が閉鎖されるので吐こうとしても吐けない空嘔吐がある。
◎ウイルス性腸炎
◎寄生虫
◎肝臓や腎臓の病気
◎子宮蓄膿症
繰り返し吐く、何も食べていないのに吐く、元気がなくなる、下痢などの症状が出ている場合は、一刻も早く動物病院で診察する事をお勧めします。
嘔吐の種類
吐く症状には、4つに分けられて嘔吐、吐出、嚥下困難、空嘔吐があります。吐いたものが消化されていた場合のことを「嘔吐」、未消化(消化しきれていない)の場合のことを「吐出」と言います。
また、犬が食べ物を飲み込めなくて、口の中に入れたのに出てしまう状態は「嚥下困難」と言います。これらは人間の場合と同じです。これらの3つとは別に、吐くような仕草を行う「空嘔吐」があります。
嘔吐
吐いたものが消化されている嘔吐の場合は、食べ物が小腸まで届いているので食道より後の胃腸管に問題がある可能性が考えられます。
吐出
消化する前に吐いてしまう事なので、食道など胃腸管より前に何か問題があることが多いです。しかし血が混ざっている場合は消化の粘膜に損傷、異常を表す症状があるので早急に動物病院で対処する必要があります。
嚥下困難
食べものが全く飲み込めない状態です。嚥下困難では、よだれが多いなどの症状を見受けられることもあります。食道のどこかに食べ物などが詰まっている場合に嚥下困難になることもあります。
空嘔吐
吐きたい様子を示すものの何も吐けない空嘔吐。肝臓や腎臓の病気、犬伝染性肝炎、子宮蓄膿症など、すぐに病院の検査が必要な病気の場合があります。何も吐いていないからといって安心できません。
犬が吐く仕草をする空嘔吐に注意
吐く仕草をしたり、吐けていない場合でも繰り返すわけではなく元気であれば、必要以上に心配することありません。しかし、何回も吐こうとしていたり、食欲がなくぐったりした状態であれば、なるべく早く動物病院に行きましょう。
犬が異物を誤飲した時に、吐きたくても吐けずに背中や体を揺らしながらなんとか吐こうとしている場合があります。この場合、見ていてとても苦しそうな状態が分かります。空嘔吐の原因については、飼い主さんの知識での判断は危険ですので、獣医師の診察を受ける事をお勧めします。
まとめ
犬が吐いたり吐くような仕草をすることは少なくありませんが、だからと言って軽く見てはいけません。小腸の出口の異常や、シェパードやドーベルマン、アフガンハウンド、ボクサーなど大型の犬種に多い胃捻転など、犬種によってかかりやすい病気などもあります。そのため原因も対策も多種多様ですが、食べてはいけない物を側に置いていないか、よけいな物を食べさせすぎていないか、予防接種を受けているかなど、普段から犬の健康に対してしっかりと対策して見守ってあげましましょう。
また、飼い主さんの誤った判断により、症状が悪化する危険性があります。様子がおかしいと気づいたときは、病院に連れていくようにしましょう。すぐに病院にいけない場合は、様子を記録することが重要です。動画や写真などで撮影し、獣医さんに見せるようにしましょう。獣医師さんに相談できるwebサービスもありますので、活用することをお勧めします。