Happy Hipster Girl with her Dog in the City

日本の世帯の中で、ペットを飼っている人はどれくらいいるのか、皆さんご存知でしょうか。犬、猫に限って見てみると、2015年度には、犬991万7000頭、猫987万4000頭と、どちらも全世帯のうち10%を超える割合でペットとして飼われています。さらに、ひと昔前に比べて、ペットを「家族の一員」と考える飼い主が増えているのです。

ペットがより人間と密な関係になっている現代、街全体も”ペットフレンドリー”であることが望まれるようになっています。今回は、ペットフレンドリーなコミュニティについて、都市部の課題とともにご紹介していきます。

■ ペットフレンドリーなコミュニティとは

woman portait with dog

ペットフレンドリー、すなわち「ペットにやさしい」とは、一体どのような状態を指すのでしょうか。麻布大学 大倉准教授の研究によると、ペットフレンドリーなコミュニティのイメージは以下の通りです。

「広い公園が設置されていること」83%
「ペット友人が近くに住んでいること」7%

人によって差はあるでしょうが、多くの人が、ペットの親交やネットワークが豊富にある状況をペットフレンドリーとして想像しているようです。

■ 都市部に潜む課題は

San Francisco Yerba Buena Park

では、ペットフレンドリーなコミュニティを実現するため、都市にはどのような課題が課されているでしょうか。大都市でありながら、アメリカで最もペットフレンドリーだと言われるサンフランシスコをご紹介しながら考えていきましょう。

まずは、前述したようにペットフレンドリーのイメージとして最も支持を集め得た「公園」について。多くの都市の公園では、人間に飛びかかって怪我をさせることがないように、一部ドッグランとして開放されている、もしくは犬は公園では走らせてはいけないというルールになっています。一方、サンフランシスコの公園では、犬はノーリードで公園全体を自由に走り回っているのです。この街で犬は、人間に危害を加えることもなく、非常に人懐っこく「社会化」しています。

では、サンフランシスコの犬たちは、どのように社会化していくのでしょうか。犬は生後4ヶ月前後から1歳までの間の「社会化期」に、犬同士の付き合いや人への愛着を学びます。サンフランシスコでは、街全体で、犬を外に連れて回れて、店の前に繋いでおいたり、公園で放して毎日他の犬と遊ばせたりできる環境を整えることで、犬を外の環境に慣れさせることに成功しているのです。

また、動物が嫌いな人々とも折り合うために協議を重ねるという努力も怠りません。街のいたるところに「うんちビニール配布ボックス」を設置し、糞を入れるビニール袋の配布を行うなど、ペットを飼っていない人に不快な思いをさせないための工夫もされているのです。

参考:「何故この街では公園で犬を思い切り走り回らせられるのか?

サンフランシスコには、150年近くにわたって動物を大切にしてきたという歴史はあれど、ペットにやさしい街を目指すにあたって参考にできる点もあったのではないでしょうか。東京でも、2020年の東京五輪までに犬猫の殺処分ゼロを目指すとして「TOKYO ZERO」という運動が始められています。

ペットを飼う人の数が増加している今、それぞれの都市の性格に合わせて、市民が対話を重ねて最大限ペットとの共生を可能にしていくことが求められていると言えるでしょう。

■ 参考

「ペットフレンドリーなコミュニティの条件―コミュニティ疫学試論―」麻布大学 大倉健宏
http://www.gakkai.ne.jp/jss/research/88/8_2%E6%97%A5%E7%9B%AE%E5%8D%88%E5%89%8D%2012.pdf

「ペット共存型都市環境に関する課題の検討」
http://library.jsce.or.jp/jsce/open/00035/2008/63-04/63-04-0336.pdf

「平成27年(2015年)全国犬猫飼育実態調査 全国犬猫飼育実態調査 結果」一般社団法人 ペットフード協会
http://www.petfood.or.jp/topics/img/160129.pdf

「拡大するペット関連市場」
http://www.fukoku-life.co.jp/economy/report/download/report42_11.pdf

「何故この街では公園で犬を思い切り走り回らせられるのか?」huffintonpost
http://www.huffingtonpost.jp/taviicom/san-francisco_b_7141246.html