■ 犬のオスとメスで性格に違いがあるの?
犬のオスとメスで性格に違いがあるのはご存知ですか?この「性格の違い」を知っていると、犬との生活が想像しやすくなります。まずは、それぞれの大まかな性格と特徴をご紹介します。
オス
どちらかと言えば、やんちゃで甘えん坊、メスと比べて体も大きく、縄ばり意識が強い。攻撃性もメスより強い傾向にある。マーキング、マウンティングをする。
メス
大人びた性格、オスよりも体は小さく、縄張り意識は低い。生後6ヶ月を過ぎると年1~2回発情出血(人で例えるなら生理)があり、この時期は情緒不安定になりやすい。
以上はあくまでもおおまかな傾向です。犬種、そして個体それぞれに生まれ持った性格、発育環境が影響し、個性が発達していきます。
■ オスとメスでそれぞれなりやすい病気があるの?
答えはYES。人も男性、女性でなりやすい病気があるように犬に、性別によってかかりやすい病気があります。犬のオス、メス別にチェックリストを作成しましたので、当てはまるものがないか確認してみて下さい。
【オスがなりやすい病気】
☑︎尿石症:
頻尿、もしくは尿が出ずらい、血尿がでるなどの症状
☑︎肛門周囲腺腫:
糞便があきらかに細い、出ずらい、尿が出ずらい、肛門の周りにしこりがある場合
☑︎会陰ヘルニア:
肛門周囲に異常な膨らみがある場合
これらの病気は、オス特有の体の構造&男性ホルモンの影響のためです。
【メスになりやすい病気】
☑︎子宮蓄膿症:
子宮に膿が溜まってしまう病気。はじめは無症状で、悪化するにつれ元気・食欲がなくなり、多飲タ尿が見られます。
陰部から膿が出てくる場合と出てこない場合があり、後者の方がより深刻です。場合によっては命を落とすこともあります。
☑︎乳腺炎:
メス犬の乳腺は5~7対ある乳頭に沿ってあるのですが、この乳腺が腫れ熱を持っている場合は乳腺炎の恐れがあります。
☑︎乳腺腫瘍:
乳腺にしこりがある場合は乳腺腫瘍の可能性があります。犬の乳腺腫瘍の良性、悪性の確立は約50%:50%と言われています。
☑︎偽妊娠:
妊娠していないのに巣作りをしたりお乳が出てしまったりする病気。
☑︎膀胱炎
血尿や頻尿などの症状を伴います。
チェックリストで当てはまる項目はありましたでしょうか?こちらのチェックリストの項目で、1つもしくはいくつかの症状があてはまれば、上記の病気の可能性がありますので、動物病院での診察をお勧めします。
■ 受診のタイミングと去勢&避妊手術について
これらの病気の一部は、去勢や避妊手術をしていなければ老齢になると発症確率が上がってきます。このため、若いうちに去勢や避妊手術をしてしまうのも一つの選択です。しかし、「仔犬を産ませたい」「できれば手術をしたくない」など様々な理由で手術をしないと選択された場合は、これらの病気を忘れず、「おかしいな」と思ったら早めに動物病院を受診して下さい。
犬は人のように自ら「苦しい」「ここが痛い」と話し、詳しく伝えることはできません。ですので、飼い主さんの日々の観察と「ちょっといつもと違う、おかしいな」が、とても大切になります。問診では、この一言が病気解明への手助けとなりますので、わんちゃんとの日々の暮らしを大切にし、毎日のスキンシップを心掛けてみてください。
鳥取大学獣医学部卒。千葉県の動物病院に勤務したのち、2014年10月からペットスペースまりもに勤務。
ペットスペース&アニマルクリニックまりも http://petspace-marimo.com