イタいっ!猫に噛まれると、しっかり歯型が残るように猫に、しっかり歯が備わっています。しかし、人間の歯とは違い、とても鋭くで上下が互い違いになっており、これを「ハサミ状咬合」と呼ぶそうです。今回は、猫の歯の虫歯や歯周病について検証します。
■ じつは、猫は虫歯にならない?!
猫にはいわゆる「虫歯」はありません。その理由は下記の二つが考えられます。
⑴猫の口内=アルカリ性
人間の口内は一般的にpH6.5〜7.0で弱酸性です。一方で猫の口内はpH8.0〜9.0くらいを推移しており、アルカリ性となっています。
実は虫歯の原因である虫歯菌はアルカリ性に非常に弱く、酸性でないと繁殖しにくいため、猫の口内環境は虫歯菌の繁殖環境がないのです。
⑵食べかすや虫歯菌が付着しにくい歯の形
人間の歯は平たく、くぼみの部分に食べかすが詰まりやすい構造をになっています。クッキーやパンなどを食べた直後は、奥歯に食べかすが詰まることは誰もが経験済みではないでしょうか。しかし、猫の場合は、歯が鋭くとがっているため、食べかすや菌が付着しにくいのです。人間の八重歯にも、同様に虫歯になりにくいと言われています。
■ 油断禁物!猫の8割は歯周病?!
虫歯にならないとはいえ、安心できません。何でも、3歳以上の猫の8割は歯周病・歯周病予備軍と言われています。歯周病とは、歯垢の中の細菌によって歯を取り囲む歯周組織に炎症が起こることを指します。歯垢は放っておくと歯石化し、歯垢がさらにたまりやすくなるという悪循環を引き起こします。猫の場合、人間よりも歯石化しやすいと言われており、歯石は一度できてしまうとなかなか取ることができません。
このようにして歯垢や歯石が蓄積すると歯周病が進行し、歯茎の腫れ・赤みや出血、歯の変色、口臭、よだれを垂らす、食欲減退などの症状が見られることもあります。最悪のケースとしては、目の下や歯茎に穴が開いてしまったり(外歯瘻・内歯瘻)、心臓や腎臓、肝臓などの疾患も考えられます。
■愛猫が歯周病にならないための必要なケア
猫の歯周病の恐ろしさをお分かりいただけたかと思います。そこで最後にかわいい猫ちゃんに痛い思いをさせないための歯周病予防ケアをご紹介します!歯周病予防に最も効果的なのは、ズバリ、歯磨きです。人間も猫も必要なことは変わりありませんね。
*どこを中心にケアすればいいの?
歯垢がたまるのは歯の根元と歯周ポケット。そして猫の口内でもっとも歯周病になりやすい部分は奥歯(臼歯)です。ここを中心にケアしましょう。
*何を使えばいいの?
犬の歯磨きは、指にガーゼや布などを巻いて行う人も多いようですが、猫の小さいお口には大きすぎます。市販されている猫用歯ブラシを用いるのが無難でしょう。歯ブラシに抵抗を示す場合は綿棒を用いるのもいいでしょう。
*どうやって磨くの?
歯垢たまりポイントである歯と歯肉の間に45度の角度で歯ブラシを当てます。歯肉を傷つけないために必ず歯ブラシは水でぬらしておきましょう。
日常生活で、みることがない口の中。だからこそ、獣医さんのチェックが必要。
外傷や体調不良であれば、きちんと観察することで、発見することも可能ですが、口の中はチェックする機会がありません。だからこそ、獣医師さんに見てもらう必要があるのです。歯周病が悪化し、歯周炎になるとさらにひどい状態になりますので、日々のケアや健康診断を通じて、専門家に相談できる環境をしっかり準備しておきましょう。