夏が終わったはずなのに、まだまだ暑く、日照りの厳しい日が続きますね。愛犬をサマーカットで涼しくしてあげる飼い主は多いのですが、バリカンで刈り込み散髪された犬は、本当に涼しいと感じているのでしょうか?たしかにあ、、見た目はすっきり涼しそうに散髪されていますが、実は、犬の毛には、高機能が備わっているためサマーカットは逆効果です。
犬は涼しく感じるどころか、サマーカットで暑さが増していることもあります。そこで犬の毛の役割についてご紹介したいと思います。
■ 犬の毛の役割とは?高機能の秘密
犬種によって、犬の被毛には色や毛質に違いがあります。しかし、どの犬の被毛も犬が生きていく上で必要な役割を持っています。それは、「断熱効果」です。犬の毛には断熱材のような効果あり、暑さなど外気から犬を守る役割があります。
犬の長い毛は、間に空気を閉じ込める役割があり、暑い夏には身体の中の冷たい空気と外の暑い空気が入れ替わることを防いでいます。なぜ、空気を閉じ込めると暑さを防ぐことができるのでしょうか?
犬の毛の隙間に何層もの空気の層を作り断熱材となり、なるべく外気の温度に影響されないように保護しているからです。
また、犬の皮膚は角質層が薄く外的刺激に弱いため、全身が毛におおわれて守られています。サマーカットなどで皮膚が見えるほど毛を短くすると、皮膚に直接紫外線の影響を受けることになり、ダメージを受けてしまいます。涼しくしてあげるつもりが、かえって暑い思いをさせていたと言うことですね。
■ サマーカットでデメリットがあるって本当?
犬の毛には、気温調節の役割だけでなく、他にも大切な役割を持っています。サマーカットで短く刈り込むと起こるデメリットについて考えてみましょう。
犬の毛は、暑さ寒さから身体を守る以外に、散歩中の草むらなどで皮膚が傷つかないようにと虫などの外的刺激からも犬を守っています。フサフサした毛や、長い毛がサマーカットで短くなれば、犬の皮膚が無防備になるデメリットがあることも心得ておきたいですね。
また、犬種によってはサマーカットをすることで、毛質が変わったり、元のように被毛が伸びて来ないと言うデメリットがあります。ポメラニアンやシェルティなど、ダブルコートと言われる下毛と上毛を持つ犬種がいますが、短くし過ぎるとホルモンの異常を起こす事態が起こり、毛が生えてこないことがありますので、注意が必要です。
プードルやヨークシャテリアなどのシングルコートと言われる犬種は、毛質が変わるなどの影響を受けることは少ないようです。
■ 環境によってはメリットもあるサマーカット
では、サマーカットはデメリットばかりなのでしょうか?
サマーカットにもメリットはあります。
●散歩で汚れても洗うことが簡単で乾きも速い。
●清潔に過ごすことが出来て皮膚病予防になる。
●家の中で毛が飛び散るのを防ぐことができる。
犬の毛が本来持っている高機能を妨げることになるので、バリカンで短く刈り込むことは避けるべきですが、長く伸びすぎた毛を少し短くカットしてあげることや、毛の多い犬種は軽くすいてあげることで、過ごしやすくなるメリットがあります。
汚れやすい足回りや、肛門周りなどは短くカットしてあげる方が清潔ですね。サマーカットで暑さ対策を考えるのではなく、暑い日中の散歩は避けて早朝や夕方の涼しい時間に散歩に行くことや、室内を風通し良くして、エアコンを上手に活用するなど、他の方法で暑さ対策をしてあげましょう。
■ まとめ
犬の毛が、こんなに優れている機能を持っていたこと、ご存知でしたか?犬の皮膚や身体そのものを守っている被毛を、サマーカットで短く刈り込まず、定期的にケアして清潔に保つことが、犬にとっては快適になるのです。
もし、万が一、同じ場所を舐める行為をしていたり、一部分は気にしている場合は、夏の太陽の光で皮膚がダメージを受けている場合があります。気になる場合は、すぐに獣医師さんに相談してみましょう。また、webで気軽に相談できるサービスもあります。とにかく、すぐに病院にいけない場合でも、かかりつけの獣医師さんに相談できる環境の構築を心がけましょう。