ウサギ 餌

ウサギは草食動物ですが、単に生野菜を与えればよいというわけではありません。ペットショップなどにはたくさんのラビットフードが並んでいて、何をあげればよいのか迷うことがあると思います。ウサギが健康に過ごしていくためにはどのようなものを、どのくらいあげればよいのでしょうか?また、あげてはいけないものは何でしょうか?今回はウサギの餌の種類、量、食べさせてはいけないものについてお話しします。

理想的なウサギの餌

ウサギは完全草食動物ですので、基本的には原材料が草や野菜以外のものはあげないほうが良いでしょう。
現在、栄養面や歯の健康面などを考慮してウサギにとって最適といわれている餌のバランスは、牧草7割・ペレット2割・野菜や果物1割といわれています。

ペレットというのはアルファルファやチモシーなどの牧草の粉やカルシウムなどを固めた粒状の餌です。ペレットが販売されるまではキャベツやニンジンを餌として与えることが多く、栄養のバランスが悪く病気になってしまうことがあったといわれています。ペレットはウサギに必要な栄養がバランスよく含まれており、ペレットのおかげで栄養面のトラブルは激減しました。

しかし、私たちが手に取るととても硬く感じるペレットですが、ウサギにとっては柔らかいため歯がすり減らず歯のトラブルが多くなりました。最も多い歯のトラブルは「不整咬合」といい、切歯や臼歯が伸びてしまい、うまく草を食べることができなくなる病気です。ウサギの餌として売られていることが多いペレットですが、それだけを与えていると歯のトラブルを引き起こすこともあるのです。

餌を選ぶ際に気をつけるべきポイントとして、ウサギの歯の特徴を知っておく必要があります。ウサギの歯は人や犬・猫の歯と異なり永久に伸び続けます。切歯(前歯)は1か月に約1㎝伸びます。臼歯(奥歯)も同じで伸び続けます。切歯は草を小さく切る役目を持ち、臼歯はそれをすりつぶすのが役割です。本来、野生のウサギは硬い木の皮などを食べることによって歯がすり減り、適度な長さを維持することができます。歯の伸びすぎを防ぐため、しっかりと噛むことができる固めの餌をある程度与えることが望ましいとされています。

一方、チモシーやアルファルファなどの牧草やワラは繊維質が多く適度な硬さを持っており、ウサギのエサに最適です。切歯で小さく切り、臼歯ですりつぶす必要があるので適度に歯がすり減り長く伸びすぎることを防ぎます。

アルファルファはカルシウムを多く含んでおり栄養価が高いので生後7ヶ月以内の成長期のウサギに最適です。生後7ヶ月以降のウサギは成長期ほど栄養を必要としないのでチモシーをメインに与えると良いでしょう。ペレットの原材料もチモシーやアルファルファであることが多いので、月齢や体型に合わせて選んであげる必要があります。

近くの店舗では牧草やワラ、適切なペレットフードの入手が難しい場合には、通販を利用するのも一つの方法です。栄養バランスと歯のトラブル防止の2点に注意し、バランスよく餌を与えましょう。

ウサギに与えてもよい食べ物

ウサギ
ウサギが食べてもよいものはたくさんありますが、スーパーで購入できるものに限定してご紹介します。
・ニンジン
・小松菜
・青梗菜
・パセリ
・春菊
・三つ葉
・シソ
・カブの歯
・大根の葉
・バナナ
・パイナップル
・リンゴ など

ウサギに与えてはいけない、与えすぎに注意が必要な食べ物

ウサギ

まず、 クッキーなどの糖分の多いものや野菜や果物以外の人の食べ物など草食動物が消化できないものをあげてはいけません。しかし、野菜や果物の中でも与えてはいけないもの、与える際に注意が必要なものを紹介します。
・アブラナ科の野菜
ブロッコリー、カリフラワー、ケールなどが含まれますが、これらの野菜には甲状腺腫誘発 物質が含まれています。少量食べる程度では問題 はありませんが、毎日になると与えすぎで問題が起こります。与えすぎに注意しましょう。

・ニンジンなどの糖分の高い野菜
糖分の多い野菜をたくさん食べさせると肥満の原因になります。しかし、これはたくさん与えた場合です。甘いものを好むウサギは多いですから食欲がないときにお勧めです。ニンジンを食べた翌日にはニンジンに含まれる色素が尿に混じり血尿と見間違えることがありますが、異常ではありませんので知っておくとよいでしょう。

・水分の多い野菜
キュウリやトマト、白菜、レタスなどの水分の多い野菜は食べても栄養価が低く、下痢を起こしてしまうこともありますので要注意です。

・ホウレンソウなどのシュウ酸を含む野菜
シュウ酸は尿路結石の原因になることがあります。キャベツやブロッコリー、青梗菜などにもシュウ酸は含まれますが、ホウレンソウが最もシュウ酸を多く含みます。注意しましょう。

与えてもよい食べ物でも、その量によってはトラブルにつながることもあります。野菜や果物は食いつきがよいですが、牧草とペレットをメインの餌として与え野菜だけ大量に与えることは避けましょう。

まとめ

ウサギの餌として与えてもいいもの悪いもの、そしてウサギの理想的な食餌についてまとめました。数あるフードの中から適切なものを選ぶのはとても難しいかもしれませんが、ウサギに必要な栄養や歯のことを考え、毎日の健康のために良質なペレットフードと牧草やワラ、野菜や果物をバランスよく与えましょう。また、完全草食動物であるウサギは、犬や猫とは食事の摂り方や必要な量は全く異なることを覚えておきましょう。犬や猫に比べて、ウサギは頻繁に食事をする動物です。そのため、いつでも食べられるようにケージ内には牧草やワラを入れておくとよいでしょう。