何かの拍子に突然始まる愛猫の後ろ脚キック。強烈な高速猫キックのターゲットとしてぴったりなのが「けりぐるみ」と言われるおもちゃです。猫が抱きかかえてキックできる「けりぐるみ」の魅力を、猫の習性とあわせてお伝えします。
なぜ後ろ脚で猫キックをするの？
愛猫が人間の足やお気に入りのぬいぐるみを抱きかかえて強烈な猫キックを浴びせる様子は、猫の飼い主さんにとってはおなじみですよね。前脚でターゲットを抱きかかえてケリケリする姿はかわいらしいものの、猫自身はかなり真剣にキックしているように見えます。
それもそのはず、猫キックは狩猟本能によって繰り出されるもの。猫は狩りの際に獲物をキックで疲れさせて仕留める習性があります。獲物を前脚で押さえ、キックで弱らせて、最後はキバでとどめをさすのが猫の狩りの流れです。
一見、遊びの延長のような高速キックですが、猫自身は狩りの疑似体験をしているので、獲物を弱らせたと感じるまで止めません。キックに加えて噛みついてくることもあるので、飼い主さんの腕や足が猫キックのターゲットになってしまったときは要注意です。
本能は止めずに発散させてあげよう
猫キックは狩猟本能によるものなので、止めようとして止められるものではありません。マーキングやいたずらについても同じことが言えますが、猫の生存・狩猟本能に基づく行動は、人間がどんなに気をつけていてもやめさせることは不可能です。ましてや猫キックをする愛猫を叱ることは、猫に大きなストレスを与えてしまいます。
ただし、人間の腕や足を狩りの対象としてキックする癖がついている猫の場合は、ちょっと話が別です。飼い主さんが何気なく手を置いたり足を投げ出していたりすると、すかさず抱きついてキックしてくるような猫に対しては「腕や足は獲物ではない」と覚えてもらう必要があります。
猫が腕や足を狙う素振りを見せたらスッとその場を離れ、無視すること。その代わりに、思い切り蹴ったり噛んだりできる、猫専用の「けりぐるみ」を与えるのがおすすめです。
「けりぐるみ」でストレス解消！
「けりぐるみ」は猫が両手で押さえつけるのにちょうど良いサイズで、大抵がしがみつきやすいようにやや細長い形をしています。動物や食べ物などデザインはさまざまで、マタタビやキャットニップ入りのものもあります。
猫によって形や匂いなどの好みはさまざまなので、まずは手頃なものを与えてみて反応をチェックすると良いでしょう。価格は安いものでは1,000円以下からあるので、もし愛猫が気に入らなければ別のものを試してみるのも良いかもしれません。
また、最初はけりぐるみに興味を示さない猫でも、遊んでほしくて飼い主さんにじゃれついてきた時などに与えてみると、意外と気に入って使い始めることがあります。
先ほども述べたように、猫にとって後ろ脚キックは狩猟本能の表れ。「止めようと思っても止められない衝動」なのです。それを無理に止めたり、十分に発散させてあげられなかったりすると、猫は大きなストレスを感じてしまいます。狩猟本能全開で思いっ切りキックできるけりぐるみは、猫の狩猟本能を満足させてストレス解消につながる重要なツールなのです。
まとめ
けりぐるみを両手でぎゅっと抱きかかえ一心不乱にキックする姿は、猫の必死さとは裏腹にとても癒される光景です。猫のストレス解消に役立ち、かわいらしい姿も見られる一石二鳥のけりぐるみ、ぜひ取り入れてみてください。
ただし、けりぐるみを与えているのに猫の攻撃性が収まらない場合は、何らかの病気やトラブルを抱えている可能性もあります。そんな時は獣医師に相談してみてください。
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