ジメジメ、ムシムシとした梅雨の時期。人間にとって憂鬱な季節ですが、猫にとっても体調の変化などが起こりやすい時期だと言われています。猫の飼い主さんが梅雨時に気をつけたいことや、愛猫にとって理想的な室内環境についてご紹介します。
猫が梅雨を苦手な理由
ズバリ、猫も梅雨が苦手。梅雨時はいつもより元気がなく、おとなしくなってしまうようです。その理由は何なのでしょうか。
体温調節ができにくくなる
猫の祖先は砂漠出身であるため、猫は気温の高さには比較的強い動物ですが、湿度は苦手です。猫のグルーミングは毛並みを整えるだけでなく、体温調節を担っています。
グルーミング時の唾液が蒸発する際の気化熱によって、上がりすぎた体温を下げるのですが、湿度が高すぎると水分が蒸発しにくいためにこの体温調節がうまくいきません。そのため、いつもより活発性がなく動きたがらないのです。
また人間と同様、ジメジメした気候は猫にとっても好ましいものではないようで、雨の日の猫はしょっちゅう寝ています。
ノミやダニの活動が活発になる
猫の天敵であるノミは、気温18℃以上、湿度70〜90%で最も活発に活動すると言われています。高温多湿な梅雨時の環境は、ノミにとって理想的。
同じくダニやその他の有害な菌の活動も盛んになります。ノミやダニが原因のアレルギー性皮膚炎も、梅雨時から増えだします。梅雨に入る前から適切な予防対策をとっておくことが大切です。
梅雨特有の病気にかかりやすくなる
梅雨に入ると、それまでの暑さから気温がぐっと下がることがあります。また、湿気を取るためにエアコンをかけて部屋が急に涼しくなることも。
そうした気温の低下から水分補給量が減り、尿路結石による膀胱炎や尿道閉塞といった下部尿路疾患にかかる猫が増えます。予防対策として、常に新鮮な水をたっぷりと用意し、下部尿路疾患に配慮したフードを与えるなど、梅雨の時期は特に注意しましょう。
梅雨時の室内環境を見直そう
梅雨時、愛猫が快適に過ごすためには室内環境を整えることが大切です。いくつかのポイントをまとめました。
エアコンの温度・湿度設定を適切に
猫は湿度が苦手とは、先ほど述べた通り。でも、エアコンの人工的な冷気も同じく苦手なのです。人間より低い位置を歩く猫は冷気を浴びやすいため、その影響を人間よりも強く受けてしまいます。そのため、エアコンの温度を下げすぎると愛猫が体調を崩してしまうことも考えられます。
蒸し暑さを軽減するためには、温度を下げるよりもドライ設定にして湿度を下げるのが得策です。風向きは上向きにして、風量は弱めに。カビや細菌の繁殖を防ぐためにも、フィルターの掃除はこまめに行いましょう。
フードと水は常に新鮮なものを
食べ物が腐りやすくなるこの季節。いくら日持ちがするドライフードでも、長時間出しっ放しにするのは衛生的ではありません。食べ残しのフードは必ず捨て、新しいものを入れてください。
開封したフードの袋も開け口をしっかりと閉じたうえで、高温多湿の場所は避けて、なるだけ涼しい部屋に保管します。水も1日2回以上は変え、フードの容器も水入れもこまめに洗うようにしましょう。
トイレ周りを清潔に
梅雨時はトイレも普段以上に清潔に保ちましょう。排泄物を放置すると菌が繁殖しやすくなり、臭いもきつくなります。排泄物はできるだけ早く取り除き、トイレ用品もこまめに掃除しましょう。
日光消毒のチャンスを逃さない
憂鬱な季節にも、「梅雨の晴れ間」と呼ぶべき晴れ間がのぞくことがあります。そんな日には、愛猫が使っているベッドやオモチャ、食器などをきれいに洗浄してから日光消毒しましょう。トイレを洗って干すのもこの時がチャンスです。
適度な運動をさせる
人も猫も、梅雨時は心身ともに何となく重だるくなるもの。猫にとって、適度な運動は排便を促したり、健康維持に必要ですから、動きたがらないこの時期には愛猫といつも以上に遊んであげる、爪とぎやキャットタワーなど猫がストレス発散できるものを増やす、といった配慮が必要です。
まとめ
温度や湿度の設定、清潔さを心がけるなど、猫にとって快適な室内環境は人にとっても住みやすい部屋につながります。梅雨の後にやって来る蒸し暑い夏も視野に入れ、できるだけ快適な環境作りを目指しましょう。