猫 病気 隠す
愛猫が部屋の隅でうずくまり、ちょっぴり辛そうな様子。昨日まではあんなに元気だったのに…。そう、猫は本当に具合が悪くなるまで体の不調を表に出さない動物。

飼い主さんが異常に気付いた時には、かなりつらい状態になっていることが多いのです。猫が体調不良を隠す理由と、異変にいち早く気付く方法をお伝えします。

猫は具合が悪くなると姿を消す!?

猫 病気 見分け方
猫の完全室内飼育が今ほど一般的でなかった時代には「猫は自分の最期を悟ると姿を消す」などと言われていました。この現象の真相は、体調の悪い猫が軒下などにじっと潜んでいるうちに息絶えてしまい、姿が見えなくなってしまったものと考えられます。

具合が悪い時にそっとしておいてほしいのは、猫も人も同じ。特に野性味の強いタイプの猫の場合、外敵に襲われない場所で安静にして体力を回復したいと考え、人目につかない場所へ移動します。

完全室内飼育が増えた現代でも、この傾向は変わりません。普段は甘えん坊の猫でも体調が悪い時には飼い主さんから離れ、家の中の静かな落ち着く場所でじっと体を休めることが多くなります。

完全室内飼育であれば、猫が家から出て行ってしまうことはないので、愛猫の体調の変化にも気付きやすいというメリットがあります。一方、屋外にも出ていく猫の場合には、早期に体調不良に気づくことが難しくなりますが、帰ってきたときには、いつもと違う様子がないか、しっかり観察してあげましょう。

病気の兆候かも?こんな様子は要注意!

猫 体調不良 隠す
猫の様子が目に見えて普段と異なる時は、病気や何らかのトラブルを疑いましょう。愛猫に下記のような様子が見られたら、すみやかに動物病院へ連れて行ってください。

風呂場のタイルの上など、冷たい場所へ行く

体温が下がっていることが考えられます。猫は体調を崩して体温が下がると、さらに冷たいところへ行く習性があります。また、その逆で発熱していることもあります。気温は適温で暑くないのに冷たい場所に行きたがるときには、何らかの異常が考えられます。

口を開いて呼吸している、呼吸が浅い

猫の呼吸音は通常ごく静かで、呼吸時に口を開くこともありません。口呼吸で呼吸が浅い場合は肺や心臓の疾患や、甲状腺機能亢進症などの病気の疑いがあります。

呼びかけや周囲の物音への反応が鈍い

強い痛みのために周囲の物事に注意が向かなくなっているか、病気がかなり進行している可能性があります。また、反応がない場合は脳の病気の疑いも。

頻繁に嘔吐する

人間に比べると猫はよく嘔吐する動物ですが、一度に何度も吐いたり、胃の内容物がないのに胃液を吐き続けたりする場合は明らかに異常です。胃腸疾患だけでなく、膵炎や甲状腺機能亢進症、内臓腫瘍などの可能性も。

震えやけいれんがある

てんかんや脳の病気、低血糖、重度の腎臓病や肝臓病などの場合に起こります。また、どこかに痛みを感じていることもあります。

お腹が膨れている

腹水がたまっている可能性があります。考えられる病気としては肝臓疾患、腎疾患、猫伝染性腹膜炎、膵炎、リンパ腫などの腫瘍が挙げられます。

白目が黄色い

黄疸の症状です。腫瘍や感染症によって肝臓に異常が発生している場合と、急激なダイエットによって脂肪肝になっているケースもあります。

尿の回数が多い、または出ない

頻尿は膀胱炎、腎臓病や糖尿病、甲状腺機能亢進症でよく見られる症状で、多飲(水をよく飲む)を伴うことが多くあります。膀胱炎を起こすと、尿が頻回になるだけでなく、逆に、尿が出ないこともあります。

特に、尿結石による下部尿路疾患の場合、尿がまったく出なくなると48時間以内に尿毒症を引き起こし、死に至ることも。1日以上排尿がない場合は危険です。

普段からできる体調チェック

猫 病気 発見
愛猫の異変にすばやく気付くためには、普段の様子を知っておくことが大切です。スキンシップを兼ねた愛猫のボディチェックを毎日の習慣にしましょう。猫の体に触れて、腫れやしこり、極端な脱毛、触って痛がる部分がないかなどを確認しましょう。

また、体温や体重、呼吸数や心拍数も重要なチェックポイント。耳で測定できるペット用の体温計なら簡単に体温が測れます。体重は、飼い主さんが猫を抱っこして体重計に乗り、そこから自分の体重を引くことで測定できます。

呼吸数は、猫がリラックスしている時の胸の上下の動きで測定。健康の目安は1分間に24〜42回程度です。心拍数は猫の胸の下に置いて鼓動を数えることで測ります。こちらは1分間に120〜180が正常値です。1分間測定するのは難しいので、15秒間測定して、その数値を4倍するとよいでしょう。

その他、食欲や飲水量、排泄物の状態なども普段からチェックしておくことが大切。ごはんを食べない、水を飲む量が極端に変化した、下痢や便秘をしているなど普段と違う様子が見られたら、まずは獣医師に相談してみましょう。毎日の健康チェックに加え、1年に1回(10歳以上は2回)、動物病院で健康診断を受けることをおすすめします。病院に行った方がいいかなと迷った場合は、webで獣医師さんに相談できるサービスもありますので、利用を検討してみてもいいでしょう。

まとめ

本能的に体調不良を見せまいとする猫。それでなくとも「痛い」「苦しい」といった言葉で異変を訴えることができない彼らにとって、頼れる存在は飼い主さんしかいません。愛猫の様子には普段から気を配り、ちょっとした変化も見逃さないようにしましょう。動物病院での定期的な健康診断が長生きの秘訣です。

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