愛猫が突然、部屋中をダッシュ! 走り回って机の上の物を倒し、家具でボリボリ爪研ぎ。その直後にトイレで「大」をするというパターン、よくありませんか?俗に「トイレハイ」と呼ばれるおなじみの光景ですが、実は謎のこの行動。猫がトイレの前に興奮する理由を探ってみましょう。
トイレ前にハイテンションになる理由
安全な排泄場所を探している
猫にとって排泄は無防備な姿をさらす時間。その最中に外敵に襲われると危険なため、安心してウンチができる環境は非常に大切です。トイレの場所がいつもと違う、周囲が騒がしいなど、猫が落ち着いて排泄できない状況だと、トイレの前に暴れることがあるようです。
トイレが汚れている
猫は動物界屈指のきれい好き。汚れたトイレを非常に嫌います。暴れたり鳴いたりすることで、飼い主さんに「トイレが汚いよ!」と知らせているのかもしれません。トイレを汚れたままにしておくと排泄を我慢したり、他の場所で排泄してしまったり、下部尿路疾患や便秘などにもつながります。こまめなトイレ掃除は必須です。
非常時に備えるため
先ほども述べたように、猫にとってトイレは、外敵に襲われる可能性もある緊張の一瞬。排泄中に何かあった時にすぐに対処できるように、テンションを上げてトイレに臨むのだという説もあります。
トイレ後ハイテンションになる理由
自分の臭いから逃げるため
猫はウンチをした後に砂をかけて隠します。これは、自分の臭いを消すことで外敵に居場所を悟られないようにするため。砂をかけた後はダッシュで逃げ去ります。
交換神経がオンになるため
排泄の最中は副交感神経が刺激されて、落ち着いた状態になっています。反対に、トイレを済ませた後は交感神経が優位になり、そのためハイテンションになるのだという説もあります。
「トイレしたよ!」というアピール
トイレ前の行動と似ていますが、ウンチをして汚れてしまったトイレを掃除してほしくて、飼い主さんにアピールしている可能性が。排泄物は気づいたらすぐに取り除いてあげましょう。
単純にすっきりして
トイレの後にすっきりした気分になるのは人も猫も同じ。猫も、排泄(特にウンチ)をした後は体が軽くなり、気分も良くなって、テンションが上がるものと考えられます。
こんな体調の異変にも注意
通常、猫のトイレハイはよく見られる行動です。しかし、まれに下痢や便秘、下部尿路疾患などの病気によって痛みや不快感を覚え、暴れているケースもあります。
今までトイレ前に騒ぐことのなかった愛猫が急に暴れるようになった、これまでに聞いたことのないような声で鳴く、といった行動が見られたら、念のため動物病院へ連れて行きましょう。
下部尿路疾患
排尿時に痛みを感じて鳴く、トイレに行っても尿が出ない、血尿や頻尿などの症状が見られます。尿路結石で尿道が詰まり、排尿できなくなると尿毒症になって死に至ることも。「トイレの前後の行動がおかしい」と感じたら、この病気を疑い、まずは獣医師に相談を。
便秘
水分不足や運動不足の他に、腸に何らかの異常がある際にも便が出なくなることがあります。原因によっては命にかかわる可能性があるため、「たかが便秘」とあなどれません。丸2日間便が出ない場合は動物病院へ連れて行きましょう。
まとめ
多くの飼い主さんにとって「あるある」の、猫のトイレハイ。どうやら、野生時代の名残と猫のきれい好きの性格が大きくかかわっていることが分かりました。しかし、中には猫が痛みや不快感を感じて暴れている場合もあります。愛猫の行動を普段からよく観察し、いつもと明らかに違う点があったら必ず獣医師に相談を。