梅雨も始まり、じめじめとした季節になってきましたね。洗濯物がなかなか乾かなかったり、湿気で布団がカビたり、と心配事が増えるところですが、なんと猫の皮膚も湿気によってカビてしまうことがあるのです。もしカビが繁殖してしまった場合は、カビの生えた部分から禿げてゆき、どんどんハゲが進行してしまう可能性が。可愛い愛猫がひどい状態になる前に、原因を探ることが大切です。

■猫の毛が抜ける原因って?

そもそも、猫の毛が抜ける理由として、どのようなものが考えられるのでしょうか。

まず一番に挙げられるのは、換毛期。一般的に、季節の変わり目である3月・11月ごろになると猫の毛が一気に抜け始めます。こちらは、日照時間によって体毛の周期が決まっている為、室内で飼っている場合は常に人工の光を浴びていることになり、一年中換毛期のようになってしまうかもしれません。ただ、換毛期の場合は新しい毛が成長期にありますので、抜け毛がひどいからと言って禿げてしまうわけではありません。

もし禿げてきているのであれば、考えられるのは、ストレスか皮膚病。ストレスが溜まっているときに過度に毛を舐めたり引っ張ったりすると、毛が抜けやすくなります。さらに、毛が少なくなっている皮膚を舐め続ければ、皮膚炎が悪化することにもつながります。そのような時には、ストレスの原因を取り除いてあげることも大切です。
続いて、皮膚病の可能性について、次の項でお話します。

■恐ろしい皮膚炎の正体

猫がかかりやすい皮膚炎としては、主に①アレルギー性皮膚炎 ②日光皮膚炎 ③ダニによる皮膚病 ④皮膚糸状菌症 の4つが挙げられます。

1つめのアレルギー性皮膚炎とは、人間のアトピーのようなもの。一般的にはノミやダニが原因となりますが、実は、ハウスダスト、花粉、カビなど、生活上で関係する様々なものが原因となり得ます。普段口にしている食べ物や飲み物がアレルギーを発症させている可能性もありますので、注意が必要です。

2つめの日光皮膚炎も、紫外線に当たることによってアレルギーが発症してしまうものです。毛の薄い鼻周辺や耳のあたりに炎症が出やすくなります。こちらは、白猫に発症しやすく、抜け毛だけでなく、赤みやふけのような症状が出ることも。猫のいる部屋の窓に遮光フィルムを貼るなど、徹底した紫外線対策が必要です。

3つめのダニによる皮膚病は、耳ダニやニキビダニなどによるもの。耳ダニは猫に寄生し、外耳炎も引き起こします。耳ダニが寄生すると痒みが激しいため、猫が頭を振ったり、耳を家具にこすりつけたり、といった仕草がみられるかもしれません。こちらは接触感染なので、他の猫から移される可能性も。また、ニキビダニは、鼻周辺の毛穴に常住しているダニ。普段はなんともありませんが、免疫力が低下していると、このダニが原因で皮膚炎が発症することも。

■皮膚糸状菌症とは?

では、4つめの皮膚糸状菌症とは何なのでしょうか。こちらは、冒頭で述べた「カビ」が原因となる皮膚炎。このカビは真菌と呼ばれており、いわゆる水虫のような状態になります。この菌に感染すると、人間でいう円形脱毛症のように毛が抜けてゆきます。感染しやすいのは、顔や足、耳など。人間や猫からの接触感染がメインで、特に免疫力の低い時に発症しやすくなります。対処法としては、専用の飲み薬や塗り薬が用意されています。こちらは人間にも感染しますので、注意が必要です。
また、こちらが発症したということは、免疫力が落ちるネコエイズのような病気にかかっているのかもしれません。

何が原因で禿げているのかを知らなければ、適切な処置をとることができません。何か異常を発見したら、病院で診察を受け、早期に対応しましょう。