猫にはなぜか牛乳が好きというイメージがあり、猫に牛乳を与えている飼い主さんも多いのではないでしょうか。しかし最近では、猫に牛乳を飲ませないほうが良いという話も見聞きするようになりました。一体どちらが正しいのでしょうか。
猫が牛乳を飲んだらダメな3つの理由
牛乳は、タンパク質、ビタミンA、カリウムなどを豊富に含む栄養価の高い食品です。これらは猫の健康な体づくりにも効果的です。このようなメリットがあるにもかかわらず、牛乳がダメだといわれるのは主に3つの理由があります。
お腹を壊す猫がいるため
猫には、牛乳に含まれる乳糖を分解する「ラクターゼ」という酵素が少ない個体がいます。ラクターゼが少ない猫は、牛乳を体内で分解できずに下痢を起こすことがあるのです。これは人間の場合も同様で、ラクターゼを体内にあまり持たない人は、牛乳を飲むとお腹がゴロゴロしたり下痢をしたりします。
肥満になりやすいため
牛乳には脂質が含まれるため、摂取しすぎると猫は肥満になることがあります。飲み水代わりに牛乳を与えるのは、過剰摂取につながるので注意しましょう。
心臓に負担がかかることもあるため
シニア猫や心臓病のある猫は、牛乳に含まれるナトリウムを摂取し続けることで、心臓への負担を増大させる危険性があります。
与え方に注意すれば、猫に牛乳を与えてもOK
とは言え、牛乳が体質に合うか合わないかは、猫によって異なります。牛乳を飲んでも何ともない猫もいます。牛乳が好きで、飲んでもお腹を壊さない猫なら、与えても大丈夫でしょう。猫に牛乳を与える時は以下のポイントに注意して下さい。
おやつとして与える
高カロリーな牛乳は嗜好性が高いため、水としてではなくおやつとして考えましょう。肥満防止のために、牛乳を与えた日はご飯を少なめに調整して下さい。猫が十数秒で飲みきれる量を目安にして、与え過ぎに注意しましょう。
脂肪の少ないものを選ぶ
低脂肪や無脂肪の牛乳、またはスキムミルクを選ぶと脂質の摂取を抑えることができます。または牛乳を水で少し薄めて与えるのも良いでしょう。
常温のものを与える
冷蔵庫から出したばかりの牛乳だと、お腹を冷やしてしまいます。反対に温めた牛乳だと、胃に脂肪の膜が張る恐れがあります。冷蔵庫から出して、少し置いたぐらいがちょうど良い温度です。
お腹の弱い猫でも飲める牛乳って?
牛乳を飲むとお腹を壊してしまう猫でも諦めないで下さい。お腹の弱い猫にぴったりなものがあります。代表的なものは、猫用ミルクです。猫用ミルクは乳糖がカットされている上に、猫に必要な栄養素が強化されており、お腹の弱い猫でも安心です。猫用ミルクはインターネットやホームセンターなどで購入することができます。
また、ヨーグルト、カッテージチーズ、やぎミルクも乳糖の含有量が少ないので、牛乳が苦手な猫におすすめです。ヨーグルトを与える場合は、ホエー(液体部分)に若干の乳糖が含まれます。牛乳に比べるとわずかな量ですが、気になる場合はホエーを除いて与えて下さい。
はじめて牛乳を与える時は、少しずつチャレンジしよう
猫にはじめて牛乳を与える時は、まずはおおさじ1杯程度のごく少量から開始しましょう。牛乳を飲んだ後につらそうにしていないか、下痢をしていないかをよく観察しておいて下さい。異変があれば、すぐに病院へ連れて行きましょう。
猫にとって牛乳は、下痢や肥満の原因になることがあるため、避けたほうが良いといわれます。しかし牛乳を毎日飲んでいても平気な猫もおり、それぞれの体質によって差があります。牛乳が好きな猫から無理に奪う必要はありません。与え過ぎには注意しながら、大切な栄養源として活用すると良いでしょう。