人間と比べるとポーカーフェイスに見える犬ですが、よく観察していると、さまざまな気持ちを目で表現しています。と言っても、犬の感情表現と人間の感情表現に、違いがあり、人間とは少し意味合いが異なる表現もあります。表情の意味を正しく知れば、愛犬の気持ちがもっと理解できるはず。今日は、犬の目の表現の違いによる、きもちの現れの違いについて、ご紹介させていただきます。

目を合わせるのは威嚇の行為!?

人間同士で見つめ合う場合は、相手に対して少なからず好意や興味を持っていることが多いですよね。でも犬の場合はそうとも限りません。犬が目をそらさずに相手を見つめるときは威嚇や優位性を表現していると言われています。つまり「何見てるんだよ！」「俺のほうが強いんだぞ！」といった気持ちだということ。知らない犬がじっとこちらを見つめているときに不用意に犬を見つめ返してしまうと、攻撃のスイッチが入って向かってくることがあるので要注意です。
でも、これが自分の愛犬の場合は意味が変わってきます。犬が飼い主を見つめるときは、信頼や親愛の感情を伝えていると言われています。愛犬がじっと見上げてくるときは、何か楽しいことやうれしいことを期待しているサイン。感情を読み取って絆を深めましょう。

この目と表情のときは、どんな気持ち？

穏やかで笑っているような目

目がやや細くなり口が自然と開いて舌が少し見えているときは、非常にリラックスした状態。「心配なことは何もないな〜」「満足、満足」といった気持ちです。口角が上がって人間の笑顔のような表情を見せるときは、さらに穏やかな心境と言えるでしょう。

まん丸に見開いてワクワクしている目

目を大きく見開き、耳を立ててワクワクした表情になっているのは、喜びの表現です。仲良しの犬と会えてうれしい時、他の犬を遊びに誘っている時などに見られる表情です。

考え込んでいるような目

愛犬に何か話しかけた時、犬が首を傾げて何か考えているような目になることがありますよね。これは、「よく分からないな。もっとよく聞いてみよう」と、飼い主さんの言葉に興味を持ち、理解しようと努めている仕草です。

シュンとした表情で見上げてくる目

飼い主さんに怒られた時など、犬が耳を伏せて上目遣いで見つめてくることがあります。これはほぼ見たまま、「反省しています」という気持ちの表れ。飼い主さんが怒っていることが分かっているので、やや不安を感じながらも、許してくれることを期待しています。怖いと感じる存在が現れた時なども、緊張して上目遣いをすることがあります。

まばたきが多く、うつろな目

ワクワクしている時の犬は目をまん丸に見開いていますが、それとは対照的にトロンとした目つきでまばたきを繰り返す時は、退屈な気分になっています。寝そべった姿勢でしきりにまばたきをしているような犬は、「ひまだなぁ」「構ってほしいよ」といった気持ちです。ぜひ声をかけて遊んであげてください。

目、口、耳から総合的に感情を読み取りましょう

犬の目はかなり豊かな感情を表現しますが、より深く愛犬の気持ちを知るためには、口や耳といった顔のパーツも合わせてチェックしましょう。
口のまわりの筋肉がゆるみ口が自然と開いている時はリラックスした気持ち。口を閉じ、まじめな表情を作っている時は何かに興味を持って注目している時。唇がめくれ上がって歯や歯茎を見せている時は怒りのサインです。
また、耳をピンと立ててやや前方に傾けている時は、音に興味を持って聞き耳を立てています。両耳を頭に付くほどペタリと寝かせるのは相手に敵対心がないことを示す行為。耳を前後に動かすのは相手に対しての出方を迷っている時です。
こうした顔全体の表情の意味を知っていくことで、愛犬の気持ちがよりスムーズに読み取れるようになりますよ。

まとめ

犬の表情から気持ちを読み取ることは、慣れないうちはなかなか難しいもの。毎日しっかり観察して、理解していくことが大切です。これまで見逃していたかもしれない愛犬の感情が分かるようになれば、きっとより良い関係が築けます！