犬と比べ、猫はあまりシャンプーをするイメージがありません。シャンプーを好む猫は少なく、中には風呂場に連れて行かれただけでパニックになる猫もいます。どうすればうまくシャンプーできるのか、そもそも猫にシャンプーは必要なのかを今日はご紹介いたします。
セルフグルーミングでいつも清潔さを保っている猫
猫にシャンプーは必要?実は、基本的には必要ありません。猫を飼っている人ならよく分かるかと思いますが、健康な猫には動物特有の強い体臭がありません。ハンターである猫は、待ち伏せて狩りをする際に獲物に自分の居場所を悟られないよう、体臭が少なくなったと考えられています。
加えて、猫はセルフグルーミングにも熱心です。もともと体臭が薄い上に毛繕いもこまめに行いますので、体臭がほとんどしないのもうなずけます。こうした理由により、ほとんどの猫はお風呂にいれなくても、健康で美しい毛並みを保っていますので、基本的にはシャンプーは必要ありません。
ただ、外を自由に出歩く猫の場合、泥などの汚れを付けて帰ってくることがありますので、その場合、洗ってあげてもよいかもしれません。また、長毛種は短毛種に比べて、セルフグルーミングが不十分になることがあるので、もう少しシャンプーの回数を多めにしてもよいでしょう。
シャンプーに慣れさせる方法は?
もともと濡れるのが苦手な猫を水に慣れさせることは、極めて難しいでしょう。なぜなら、猫の水嫌いは本能的なものだから。
猫の祖先であるリビアヤマネコは、雨の少ない砂漠で暮らしていました。昼夜の寒暖差が激しい砂漠では、毛が水に濡れたまま夜になると、体温を一気に奪われてしまい、命の危険につながります。また、猫の毛は水を弾かないため、少しでも濡れると水分が皮膚にまで染み渡り、なかなか乾きません。
ほんのわずかな水滴がかかっただけでも、猫はブルブルと体をふるわせます。これほど水を嫌がる猫をシャンプー好きにするのは、ほぼ不可能。中には、飼い主さんと一緒に湯船につかるような猫もいますが、あくまで例外的です。猫のことを考えるなら、シャンプーは本当に必要な場合のみにとどめましょう。
猫のシャンプーの手順とコツ
シャンプーするときは、なるべく猫が嫌がらない方法で、手早く洗ってあげること。猫が怖がって爪を立てることもあるので、破れてもよい長袖の上着と長ズボンを着用しましょう。
猫のシャンプーに必要なグッズ
・猫が入る大きさの桶やバケツ、ペット用のバスタブ
・猫用シャンプー(人間用は猫の皮膚には強すぎます)
・スポンジ
・タオル2〜3枚
・ドライヤー
手順1・下準備
猫を入れる桶(またはバケツや猫用のバスタブ)にぬるま湯を入れ、猫用のシャンプーを適量入れてかき混ぜておきます。お湯の温度は人間が「ややぬるい」と感じる程度でOK。
手順2・洗う
猫を桶に入れ、体全体にお湯をかけます。シャンプーが被毛に行き渡ったら猫を桶から出し、首から下を泡立てながら洗います。足の付け根や肉球まわり、しっぽや肛門まわりは念入りに、でもあくまで優しく洗ってあげましょう。顔は、濡らしたスポンジを使って拭くように。耳や目に水が入らないよう注意しましょう。
手順3・すすぐ
すすぎは、ぬるめのシャワーで行います。このとき、熱いお湯が出ないよう様子を見ながらかけてください。猫の耳と目にシャンプーや水が入らないよう気をつけながら洗い流します。シャンプーが地肌に残ると皮膚炎の原因になるため、ていねいにしましょう。顔にはよく洗ったスポンジを使い、洗うときと同じ要領でシャンプーを落としていきます。
手順4・乾かす
十分にすすいだら、タオルで猫の被毛を包むようにして水分を取り、その後はドライヤーで乾かします。ただし、ドライヤーの音や温風を怖がる猫も多いので、反応を見ながら行いましょう。ドライヤーを使う際は、片方の手を猫の体にあてて、熱すぎないかどうかを常にチェックします。
ドライヤーを極度に嫌がる場合は、できる限りタオルドライした後、猫を暖かい部屋に入れて自然乾燥させます。このとき猫の体が冷えないように気をつけてください。
まとめ
日常的に清潔さを自ら保つことのできる猫ですので、シャンプーは必要ありません。時と場合を考えて、必要なときには、上記のポイントをおさえて、なるべく猫を怖がらせないように手早く洗ってあげてくださいね。また、猫を扱ってくれるトリミングサロンでシャンプーをしてくれる場合があります。自分で出来ない場合は、プロのトリマーさんにお願いしてみることを検討してみましょう。