時代は空前の猫ブーム。ついこの間まで、ペットの王者だった犬が地団駄を踏みそうな人気ぶりです。猫カフェ、タレント猫、猫の写真集なども流行し、猫がもたらす経済効果、通称「ネコノミクス」効果は2015年の年間合計が2兆3162億円にも達すると言われています。なぜ、こんなにも猫がブームになったのか。そこには、現代の人の暮らしとの間に見過ごせない相関関係がありました。
■ 猫ブームはこんなところにまで!
「ネコノミクス」と称されるほどの経済効果を生み出した猫ブーム。まずは、どんなところで猫が活躍しているのかをご紹介します。
1.駅長
「たま駅長」をご存知ですか? 実は、この「たま駅長」こそが猫ブームの火付け役!たま駅長とは、和歌山県紀の川市のとある駅で、駅長を務めていた三毛猫のこと。「客招き」を主な任務として命ぜられたたま駅長ですが、猫ブームを招き、予想以上の役目を果たしました。たま駅長を一目見ようと、こちらの駅に訪れる方もいたほどで、中国や韓国からいらっしゃる方も多く、大変大きな、経済効果を生んだ猫といってもよいでしょう。初代たま駅長は先日亡くなり、今は二代目たま駅長は活躍しています。
2.猫カフェ
猫ブームと聞いて連想する方も多い猫カフェ。現在、日本には全国で170店舗ほどの猫カフェがあると言われています。実は、今、この猫カフェが日本のカルチャーとして世界へも発信されているといいます。今やアメリカやヨーロッパ各地でも、猫カフェがオープンしているそうですが、最近では、少し変わったコンセプトの猫カフェもあるそうで、色んな猫カフェを巡ってみるのも楽しそうですね!
3.ドラマ・CM
最近は、ドラマやCMでも猫をみかけることが多くなりました。Y!mobileの「ふてネコ」シリーズや、フジテレビ系のドラマ「オトナ女子」にでてくるネコ”ちくわ”が記憶に新しいのではないでしょうか。やはり自由気ままなその姿が、人々の心を癒しているようです。
■猫好きがSNSを通じて、表面化した?
では、どうして猫ブームは起きたのでしょうか。10年ほど前は、空前の犬ブームでした。犬といえば、愛嬌があって人懐っこい動物です。10年ほど前といえば、団塊の世代が定年を迎え、寂しいから、という理由でひとなつっこい犬を飼う方が増えたのです。その頃、猫には誰も注目していなかったのかというとそんなことはありません。では、なぜ猫はその頃、ブームにならなかったのか?考えられるのは、当時とくらべて、猫を家で飼うことが、浸透してきたからと言われています。そして、散歩に連れ出すことのない我が家の愛猫を人に見せる機会が非常に少ない飼い主さんが、SNSに投稿し、猫がネットにあふれているのでは、と言われています。家で時間を過ごす人にとって、ネットの閲覧時間は長いため、そばにいる猫さんが写真にうつりこむことが多いのでしょう。猫ブームと言われていますが、猫がネットに出てくることで、猫ブームが起こっているように感じる…という考え方も出来るんですね。
■どの時代でも、人間にとってペットは必要不可欠な存在。
猫が流行りだからといって、犬をぱったり見なくなったという事はありません。街を歩いていると、幸せそうに散歩をしている犬の姿もよく見かけます。家でお昼寝をしている猫の姿や嬉しいそうに飼い主と走り回る犬の姿がSNSを見かける機会が増えましたが、人間にとってはどんな時代でも、ペットの存在は欠かせないものであると言えるかもしれません。